子どもの肥満は大人の肥満につながる
とはいえ、今回発表された研究はあくまでも欧米での話。文化や考え方の違いもあるだろうし、日本でも同じ結果になるとは限らない。そもそも子どもの肥満の実態はどうなのか。
文部科学省が発表している「学校保健統計調査」の「年齢別 肥満傾向児の出現率の推移(昭和52年度~平成28年度)」を見ると、肥満の子ども(6~14歳まで)の割合のピークは2007~2008年ごろで、ここ数年はピーク時よりやや低い数値で横ばいの状態だ。
ただし、日本医師会などは子どもの肥満の発生頻度は上昇していると指摘。2014年に発表した「子どもの生活習慣病予防対策に関わる教育」の中で、子どもの肥満は解消されにくく、幼児肥満の8割は学童期も肥満のままで、学童期肥満は思春期肥満に移行し、思春期肥満の7割は成人でも肥満のまま......、と負の連鎖が続くことに危機感を募らせている。
仮に今回の研究で指摘されているような状態が大人になってもが続くようであれば、子どものころに太っていることで生涯社会的に孤立するリスクが高まりかねない。
子どもの食事や運動に気をつかうのは健康のためだけでなく、子どもの人間関係や社会生活のためでもあると言われる日は近いのかもしれない。