AKB48グループ恒例の「選抜総選挙」開票イベントが2017年6月17日、豊見城市立中央公民館(沖縄県豊見城市)で開かれ、HKT48の指原莉乃さん(24)が2位の渡辺麻友さん(23)に大差をつけて初の3連覇を果たした。
「総選挙」が沖縄県で開催されるのは初めて。昼のコンサートと夜の開票イベントが豊崎海浜公園・豊崎美らSUNビーチで予定されていたが、天候不良でコンサートは中止、開票イベントは屋内に会場を移して無観客で行うことが発表されていた。指原さんはV3決定後のスピーチで「『6月に野外で』という無茶があったと思います。本当に申し訳ございませんでした」と無観客を陳謝。指原さんのスピーチの直前には、渡辺さんがグループからの卒業を発表。これを受けて指原さんは「これからどうなっちゃうんだろうって、本当に不安です」と吐露。「AKB48を見捨てないでください」と信頼回復を誓った。
会場内に響いたのは「立候補者」の「黄色い歓声」
5月31日に発表された中間発表にあたる「速報」では、新潟・ NGT48の荻野由佳さん(18)が1位でロケットスタートし、指原さん、渡辺さんはそれぞれ3位、4位だった。最終結果では、指原さんは24万6376票を獲得、14万9132票で2位の渡辺さんを引き離した。荻野さんは7万3368票で5位に入った。
会場となった豊見城市立中央公民館「大ホール」の最大収容人数は786人。そのうち320席を「候補者」のAKB48グループメンバーが使用し、残りの座席を運営関係者や報道関係者が使う「無観客」で行われた。一般のファンは会場に入れないため、全国の劇場や、元々の会場だった「豊崎美らSUNビーチ」に設けられたパブリックビューイングの会場から開票を見守った。
時折パブリックビューイング会場と開票イベント会場が中継で結ばれ、ファンの歓声も会場に流されたが、実際に場内で大きく響いたのはランクインを喜ぶ「立候補者」の「黄色い歓声」。特にNGTは、メンバーの名前が呼ばれるたびに立ち上がって大喜びしていた。
「今のAKB、どんどん信頼を失っている気がして」
指原さんは3連覇決定後のスピーチで、ファンへの感謝の言葉の次に言及したのは「無観客」の問題。AKBが「信頼を失っている」「皆さんの気持ちが離れていく」といった強い言葉を使いながら、グループへの支持を訴えた。
「天候のこととはいえ、6月に野外で、という無茶があったと思います。本当に申し訳ございませんでした。こうやってひとつひとつの積み重ねで、皆さんの気持ちが離れていくことが、とっても怖いです。今のAKB、どんどん信頼を失っている気がして、みんなが離れていくのが本当に怖いです。そして今、大事な仲間が卒業発表して、これからどうなっちゃうんだろうって、本当に不安です。皆さん、どうかメンバー、スタッフ一丸となって頑張っていきますので、AKB48を見捨てないでください」
イベント後の囲み取材でも、
「やっぱりどれだけのお金が動いたのか分からないし、ファンの方がお金をかけて来てくださっているのに、こういうことになってしまったというのは、かなり怒りを覚えています」
などと主催者の対応を批判。その上で、メンバーも運営側に疑問点を指摘しながら、グループとしての信頼回復につなげたい考えだ。
「ただ、これをきっかけに、今までは何となく言えなかった、『なんか沖縄で雨、大丈夫なのかな?』とか、当たり前にみんなが感じていることをスタッフに言えなかったので、これからは、麻友はもう卒業しちゃいますけど、横山(由依・グループ総監督)はこれから言うって言っていましたし、横山が言えないことは私が代わりに言いたい。もっとグループが応援していただけるように変わっていきたい」