米ハーバード大学の学生らを対象に行った睡眠と成績の関係をさぐる研究で、就寝や起床の時間が日によって異なると、学業の評価が振るわないことが示された。
睡眠が専門の同大の研究者らが、就寝・起床のスケジュールの影響を示すために行ったもので、その影響は、学業ばかりでなく人間のシステムのあらゆる面に及ぶという。
米ハーバード大で学生らを調査
この研究を行ったのはハーバード大学医学大学院のアンドリュー・フィリップス准教授らのグループ。2017年6月12日付で、オープンアクセスの科学系電子ジャーナル、サイエンティフィック・リポーツに論文を寄せた。
研究ではまず、同大の61人の学生に30日間、インターネットで睡眠について日記を寄せてもらった。そのうえで、毎日ほぼ同じ時間に寝起きしている「就寝・起床が規則正しいグループ」と、毎日異なる時間に寝起きしている「就寝・起床が不規則なグループ」に分類した。
就寝・起床の規則性については、0~100の独自の指数を使って評価。不規則なほど「0」に近づき、規則的なほど「100」に近くなる。
成績との関連でみると、研究者らは、指数が10上昇するごとに平均でGPAが0.1上がった。GPAは、米国の大学で一般的に行われている成績評価方法で、選択している科目の成績を5段階の数値に置き換えその平均点で評価する。
睡眠と成績のこうした関係からは、試験前に夜ふかしして行う詰め込み勉強は、ほとんど効果がない可能性があるという。