おじさんはまだまだトランクス?それともボクサーへ移行?
一方、「おじさん」たちのボクサー受容については、メーカーごとにやや見方が分かれた。
ワコールがスーパーなどチェーンストア向けに展開する「BROS」シリーズの売れ行きは、今なおトランクス(特にニット生地)が上位を占めているという。チェーンストアでの購入の60~70%は代理購買、つまり家族(=多くは妻、母親)が代わりに買ってくる形だといい、それもあって「比較的年齢層が高い層に人気のあるトランクス」が今も地位を守っているのでは、というのがワコールの見立てだ。またウェブ通販でも、40代以上はトランクスが売れ筋だという。
対してグンゼは、「おじさん」たちにもボクサーが浸透しつつあると見る。直近の調査では40代の49%、50代の43%、60代の40%がボクサー派だという。
「推測ですが、特に50代以上の方は、若いときブリーフを履いていた世代です。ブリーフの着用感と、トランクスのようなカッコよさのあるボクサーの存在に気が付き、徐々にスイッチしているのではないかと思います」(前述の南さん)
いずれにせよ、勢いはボクサーが優勢。パンツといえばボクサー、という時代も遠からず訪れそうだが、南さんは、「実は10代の一部には、トランクスに戻る傾向があるんですよ」と明かす。
「10代にとって、ボクサーは自分の父親世代が履いているもの。『自分のオヤジが着ているものは着たくない』という感情が、男にはあるんですよね......」
そのうち、ボクサーもおじさんのパンツに?