退位後の上皇に京都に住んでもらいたい――。京都市の門川大作市長が2017年6月12日、天皇陛下の退位を実現する特例法の成立以降では、初となる定例会見を開き、皇族の一部に京都に住んでもらう「双京構想」の実現に向けた協議を始めると明言した。ツイッターなどのインターネット上では、「京都という地の傲慢さしか感じないニュースだ」「京都のしたたかさ、ここにありって感じだね」と波紋を広げている。
J-CASTニュースは、「京都ぎらい」(朝日新聞出版)の著者・井上章一氏と旧華族の関係者に「双京構想」についてどう思うか、聞いてみた。
東京と京都の双方が、「我が国の都」へ
特例法は2017年6月9日、参院本会議で可決され、成立した。京都新聞12日付の記事「『上皇』京都滞在、国に要望へ 市長、特例法成立で」によると、門川市長は会見で
「京都における上皇の滞在や宮中行事の実施に関し、具体的にどういう可能性があるのか、知事や各界の有識者らと近々に再び協議を行い、早急に国に要望したい」
との考えを示した。「国会で特例法が成立するまでは慎重に発言すべきと考えていた」という。
京都市、府などは2010年、行政や経済、学会などの代表者を集めた「京都の未来を考える懇話会」を発足し、13年5月に「双京構想」をまとめた。京都市の公式サイトでは、
「日本の大切な皇室の弥栄(いやさか)のために、皇室の方に京都にもお住まいいただき、政治・経済の中心である『東京』と文化の中心である『京都』が我が国の都としての機能を双方で果たしていくこと」
と「双京構想」を説明。皇族も参加される国際会議や宮中行事を京都に呼び込み、皇族が足を運ぶ機会を徐々に増やすことで、将来的に居住してもらうのを目指している。