ロードバイクを愛用する男性が交差点の信号待ちで横や前に出ないように車から幅寄せされたと不満を訴え、ツイッター上で論議になっている。
この男性は、2017年6月中旬のツイートで幅寄せを指摘した。投稿された写真を見ると、ワゴン車が横断歩道のある交差点で路肩の白線をはみ出るほど左側に寄っている。
ロードバイク愛用者のツイートがきっかけ
横の歩道にはガードレールがあり、ロードバイクがワゴン車の横にも前にも路肩からは狭くて出られない状況だ。
このワゴン車は、信号で止まるたびに、男性の前に幅寄せしてきたといい、その行為に対して腹が立ったと男性はつぶやいている。
ツイッター上では、「ものすごいわかる!!」「幅寄せは接触の可能性高まるだけ」と、自転車利用者らからは男性に共感の声が集まった。一方、「信号の度に抜き返さないといけないから寄せられる」「怖いから自衛することくらいあるよ...」「どうせ車の方が早いので後ろで待てばいいじゃないですか」といった指摘もあり、論議になっている。
また、ワゴン車は左折しようとしたとは男性は書いていないが、もし車が左折するなら、巻き込み事故防止のために、自転車などが横に入れないよう左側に幅寄せするものだとの声もあった。これは、教習所で教わったという。これには、同意する声が多く、「自転車の乗り手も、自動車の死角に入らない努力をすることも必要だ」との意見も出た。
道交法の第34条では、「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない」とある。なぜ左側端に寄らなければならないかは明記されていないが、ネット上の声はこれを踏まえているようだ。
「車と自転車は、同じ責任度合いではない」
全日本指定自動車教習所協会連合会の事務局長は6月16日、J-CASTニュースの取材に対し、車が左折するときに左側端に寄ることについて、次のような見解を示した。
「左側から来る自転車やバイクなどを遮るために、車が寄るわけではありません。道交法の趣旨もそうだと理解しており、教習所でも、遮るためとは教えていないはずですよ。ただ、結果的に自転車やバイクが入りずらいということはあるかもしれません。車が車線の中央や右側から左折すれば危険度が増しますので、左側端に寄って方向指示器で示すことで交通の安全を確保することだと考えています」
車が路肩の白線をはみ出て走ったり交差点で止まったりすることについては、道交法などの解釈が分かれているようだ。事務局長も、「歩道があるかや、路肩の広さによっても違い、一概に言うのは難しいと思います」と話す。
交差点で車が自転車などの前で幅寄せをすることについては、こう言う。
「車と自転車は、同じ責任度合いではなく、車の運転者は、自転車という交通弱者の保護を考える必要があります。自転車などに対し、優しく思いやりを持って運転しないといけないでしょう。ただ、自転車の利用者も、好き放題ではダメで、無理に前に出ないといったマナーも求められます。交通事故に遭わないという意味からも、お互いに思いやるということが大切だと思います」