忖度まんじゅう、忖度Tシャツ......。学校法人「森友学園」をめぐる問題で一躍注目を浴びた「忖度(そんたく)」という言葉を「グッズ化」する企業が現れた。
菓子や雑貨の企画・販売を行う「ヘソプロダクション」(大阪市)が2017年6月15日から売り出したのは、ビジネスマン向けの土産だという「忖度まんじゅう」。反響も大きいようで、同社の担当者は「品薄の際は何卒ご忖度の程よろしくお願い申し上げます」と話す。
「流行語大賞」の有力候補
年末恒例の「流行語大賞」の有力候補という声も飛び交う「忖度」は、森友学園の籠池泰典元学園長が記者会見で何度も口にしたことで話題を集めた言葉だ。念のため、その意味を広辞苑(第六版)でひいておくと、
「他人の心中をおしはかること。推察」
と出ている。また、「相手の気持ちを忖度する」との例文も掲載されていた。
森友学園の一件だけでなく、その後浮上した加計学園(愛媛県今治市)の獣医学部新設をめぐる報道でも盛んに使われている「忖度」。こうした流行に乗っかる形で、忖度の言葉を用いたグッズを売り出す企業が目立ち始めている。
その一つが、ネットショップ「河内國(かわちのくに)製作所」が販売する「忖度Tシャツ」だ。Tシャツの胸部分に大きく「忖度」という文字をプリントしたもので、価格は一枚2600円(税込、送料別)だ。
河内國製作所の吉岡智(さとる)代表は6月16日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「籠池さんの問題で忖度という言葉が話題になって、すぐに販売を始めました」
と話す。もともと同ショップでは、時事ネタや流行語をプリントした「オモシロTシャツ」を数多く手がけており、今回の「忖度Tシャツ」の他にも、「文春砲」や「35億」などのワードをプリントしたTシャツを販売している。
では、その中で「忖度」の売り上げはどうなのか。これについて吉岡代表は、「そこそこ、売れていますよ。うちの店ではヒット商品の一つですね」と話していた。
ちなみに忖度Tシャツを開発したのは河内國製作所だけでなく、オリジナルTシャツを専門に扱うネットショップ「T-SHIRTS TRINITY(Tシャツトリニティ)」でも取り扱っている。こちらは、忖度の字に「ふりがな」がついている点が特徴だ。
「日本人の思い遣り精神を感じる繊細な味わい」
もう一つが、冒頭の「忖度まんじゅう」だ。関西エリアの土産物店などで6月15日から順次販売されており、価格は9個入りで680円(税別)。パッケージには大きく、
「忖度の程、宜しくお願い申し上げます」
の文字。まんじゅうの皮にも、「忖度」の二文字が焼き印されている。公式サイト上の商品紹介ページでは、
「仕事・プライベート問わず日常的なシーンに溢れる『忖度』のお供にぜひご活用ください。皆様忖度の程、宜しくお願い申し上げます」
と説明。まんじゅうは「日本人の思い遣り精神を感じる繊細な味わい」に仕上がっているそうだ。
商品を企画・開発したヘソプロダクションの担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、開発のコンセプトについて、
「忖度あふれる日常のワンシーンに、『忖度まんじゅう』を活用し、たまには言葉に出して本当の気持ちを伝え、『忖度してよ』と談笑してもらえればと願い企画しました」
と答える。発売後の反響については「皆様のご忖度により、笑顔あふれるあたたかいご反響をいただいており感慨無量でございます」としている。