中国IT大手「百度」の日本法人(東京都港区 以下、バイドゥ)は2017年6月14日、日本語入力アプリ「Simeji」のAndroid版で中国本社のAI技術を活用した音声入力機能の提供を開始すると記者会見で発表した。iOS版は、7月に提供する予定。
中国本社の技術チームが、音声認識分野のAI技術を結集して開発した。Simejiのキーボードでマイクのアイコンに触れ、言葉を発すると、その音声が文字で入力されるのはもちろん、文中に句読点を自動的に入力したり、文意に沿った顔文字を予測変換に表示したりできる。同社の調べによると、こうした音声入力機能は日本で初めてだという。
「待ち合わせ予定時間は5分後だった」は...「待ち合わせ予定時間は、5分後だった」
記者会見では、同社のプロダクト事業部・矢野りん部長が
「Simejiは6月上旬より順次公開中のバージョンで、音声入力機能を搭載しました。モバイル向けの文字入力アプリです。キーボードの着せ替えや独自の文字変換など、スマホを使ったコミュニケーションで活用されています。おかげさまで今年5月には、2700万ダウンロードを突破しました」
と述べた。Simejiの音声入力では、AIで自動的に句読点を挿入したり、顔文字や絵文字を予測変換したりできる。
「チャットやメールのような普段使いでも、音声が選択肢になるようにチューニングしています」
矢野部長は実際に、記者団の前でSimejiの音声入力を披露した。部長がスマホに話しかけると、その音声が文字となり、会場内のスクリーンに映し出された。
「向かってまーす」は、顔文字付きでこうなった。
向かってまーす ((((((((((っ・ω・)っ
「待ち合わせ予定時間は5分後だった」は...
待ち合わせ予定時間は、5分後だった
読点が自動的に打たれ、時計の絵文字などがくっ付く。スクリーンにはそうこうして、メールのような文面が完成した。
「既読無視とかしたら」が「既読の人かしたら」、「宿題終わんない」が「宿題を案内」、「ガチ無理ゲー」が「ガチ無理で」など、間違えた部分も一部あったが、Simejiはおよそ正確に変換できている。
矢野部長は「Simejiのユーザーは若い人が多い。一般的な調査では、音声入力を使いたくないと言う若者に理由を聞くと、顔文字や絵文字を付けられないから、という声が上がる。若者にターゲッティングする形で、顔文字や絵文字を使えるようにした」と話した。
「日本語の音声認識を若者言葉向けに最適化しているのか」と記者に聞かれると、
「できると面白いが、そこまではまだできない」
と答えていた。
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