「総理の意向」加計文書あったと発表 「国会の山場」と同日、は偶然?

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   安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」が獣医学部を新設する計画について、「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれた文書が共有されていたとされる問題で、文部科学省は2017年6月15日に会見を開き、追加調査の結果を公表した。

   「官邸の最高レベルが言っている」「総理の意向」と書かれた文書の存在が確認されたという。ただ、こうした内容によって「行政のプロセスがねじ曲げられた」と前川喜平・前文科事務次官が説明していたことについて、松野博一文科相は「ねじ曲げられたとは考えていない」と述べた。

  • 民進党が公式サイトで公表していた文書
    民進党が公式サイトで公表していた文書
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指摘された19の文書・メールのうち、14は存在確認

   文科省は民進党などから指摘を受け、5月19日に文書の存在を調査したが「確認できなかった」と公表していた。だが、松野文科相は6月9日、「追加調査を行うべきという国民の声が多く寄せられており、安倍首相から徹底した調査を速やかに行うよう指示を受けた」のを理由に追加調査を実施すると発表していた。

   追加調査は、民進党などが示していた19の文書・メールの存否を明らかにするため、調査対象を広げた。省内のフォルダーは、前回は専門教育課の国家戦略特区の共有フォルダーのみだったが、今回は同課の他の共有フォルダーに加え、高等教育企画課、私学行政課、行政改革推進室の、関係3課室の共有フォルダーと個人フォルダー、さらにメールボックスまで調査範囲を広げた。ヒアリング対象も、前回は担当幹部7人のみだったが、今回は民進党などが示していたメールの中で宛先となっていた関係3課室の19人も対象とした。

   追加調査の結果、松野文科相は19の文書・メールのうち、14は同内容のものが存在しているのを確認したと発表。2つは存在が確認できず、あとの3つは「法人の利益に関わるものであり、慎重な対応が必要」であるのを理由に、存否が明らかにされなかった。

   存在が確認された文書の中には「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれたものもあった。だが、こうした文書が作成された経緯については、ヒアリングを受けた担当職員は「細部までは覚えていないが、記述がある以上、こうした趣旨の発言があったのだろう。ただ、その真意はわからない」と話していたという。また、上司や協議の相手先に内容を確認せずに記述したもので、個人的なメモ・備忘録として作成していたという。

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