女優の榮倉奈々さん(29)が2017年6月12日、都内の病院で初めての子どもを出産し、15日にスポーツ各紙がいっせいに報じた。夫は俳優の賀来賢人さん(27)。双方がそれぞれの事務所を通じて喜びのコメントを出したが、「男の子」か「女の子」は明らかになっていない。
このように、赤ちゃんの性別や生まれた日を明かさない芸能人がここ数年で目立っている。後々、幼稚園や小学校に進んだ際を見越して、子どもの情報の露出を控えておきたいことが背景にあるようだ。だが、「ママタレ」として活躍する人も増える中、こういった対応が「タレントとして損している」という指摘も出ている。
「元気な『赤ちゃん』が産まれました」
榮倉さん夫妻が出したコメントでは、
「この度、2700グラムの元気な赤ちゃんを出産いたしました。今回の妊娠、出産ではたくさんの方々にご協力、ご指導いただき、日々助けられて生きていることを、また、温かく見守ってくれる方々に恵まれている事を実感いたしました」(榮倉さん)
「沢山の方に助けて頂きまして、我が家に無事、元気な赤ちゃんが産まれました」(賀来さん)
など喜びをつづった。ただ、生まれたのは「赤ちゃん」という表現にとどまり性別への言及はなかった。
17年になってヤフーのトピックスで芸能人の出産が報じられたのは、今回の榮倉さんを含めて24件。そのうち、1月21日に出産が発表された山田優さん(32)と小栗旬さん(34)の第2子など5件で、子どもの性別が明らかにされなかった。
また、出産を発表するブログの文章では
「この度、無事元気な女の子を出産いたしました」(市井紗耶香さん)
といった表現が多く、性別は明かしつつも出産日を明らかにしないケースも11件あった。
個人情報保護への意識の高まりや「学校の問題」
これまでも、ブログに家族写真を掲載する際に子どもの顔の部分を塗りつぶしたり、子どもの名前を公開しなかったりすることはあったが、子どもの性別や出産日まで伏せるケースは「ここ1~2年ほどの傾向ではないか」と、芸能評論家の肥留間正明さんはみる。
その背景について、個人情報保護への意識の高まりに加えて、肥留間さんは学校の問題を挙げる。
「芸能人の子どもは学校でいじめを受けることも多く、公立校に入れることは少ない。ほとんどが私立学校だ。女の子だった場合、女子校に入学することもあるだろうから、そのことを考えて性別を曖昧にしている面もあるかもしれない。『女の子だから、つけ回されたりするかもしれない』と考えることもあるだろう」
「タレントとして損している」
一方で、こういった親側の対応は「中途半端」だとも指摘する。
「そこまでやるのなら、子どもが生まれたことも発表しなければいい。結局は、タレントの売り物は自らのプライバシー。人生の機微、人生を投影する、とも言える。家族というのはその重要な要素です」
その上で、「ママタレ」としてメディアの露出を増やしている辻希美さん(29)や、親子の確執を含めて世間の注目を集めた松田聖子さん(55)を引き合いに、今回のような対応は
「プロモーションの手段を自ら失っている。タレントとして損している」
とみている。