共同で飼うことも
また、犬を飼っている人たちと、飼っていない人たちの間で、座っているトータルの時間にほとんど変わりはないのだが、犬を飼っている人たちはしばらく座り続けることがほとんどなく、動きにメリハリがうかがわれる。
世界保健機関(WHO)は、65歳以上の成人に対して「週150分以上の中程度の運動」(あるいは「同75分以上の強度の運動」)を推奨している。これを単純に1日あたりにすると20分強。犬を飼っている人たちは、飼っていない人を上回る分だけで、このWHOの推奨レベルを満たしていることになる。
ウオーキングなどの身体的活動を規則的に行うことで、心血管系の疾患や糖尿病、一定種類のがん、うつ病などのリスクを軽減する可能性があるとされる。
これまでにも、犬を飼っていることで高齢者の身体活動が向上させる可能性があることを示す報告が行われてきたが、いずれもアンケートなどでの自己申告や、完全とはいえないデータにもとづくものだった。
今回の報告を行った研究者らは、調査で得られた結果をベースに、健康の専門家らが、シニア層にさらに身体的活動にかかわるようにするため、犬を飼うこと、あるいは共同で飼うことを普及させるよう提案している。