釜本邦茂氏「自分たちでちぐはぐな戦い方を選んでしまった」
低調な試合ぶりにサッカー解説者の釜本邦茂氏は14日付「サッカーダイジェストWeb」で、「わざわざ自分たちでちぐはぐな戦い方を選んでしまったように感じるよ」と振り返っている。「監督の選手起用」に異議を唱えており、ボランチについては「中盤の最も軸になるべきところを経験の浅いふたりに任せて良かったのか」と疑問を呈した。後半17分には、負傷の井手口にかえて今野を投入したが、「なんで最初から経験豊富な選手を使わなかったのか理解に苦しむ」と批判した。
釜本氏は前線についても、香川ら負傷者が出たとはいえ、定着しつつあった久保と原口の位置を変えたことに「いろんなエリアで玉突き的にポジションが変更されている。こうなっては、いつもとだいぶピッチ内の雰囲気が変わるだろうし、リズムを生み出しにくくなるのも当然だ」と斬った。
日本は失点後、攻めの一手を打ちたい状況になったが、直前の後半25分、最終予選4戦連続ゴールの原口を下げてMF倉田秋にかえていた。さらに後半32分、DF酒井宏樹も負傷し、最後の1枚としてDFの酒井高徳投入を余儀なくされた。ハリルホジッチ監督は試合後のインタビューで「最後に速いFWを投入するという戦略を練っていたが、けがが問題だった」と述べ、当初のプランとまったく異なる戦いとなった。
予期せぬ負傷交代が2枚切られたわけだが、サッカー解説者のセルジオ越後氏は14日付「サッカーキング」で、「今回のメンバー編成には監督の甘さが出たのではないか。ケガ人が多発したが、代表にはつきもので言い訳にならない」「采配も後手でクエスチョンマークだね。監督が何をしたいのか、どうしたいのかがますます見えなくなったよ」とハリルホジッチ監督を非難していた。
引き分けで日本は勝ち点17とし、かろうじて首位を保ったが、オーストラリア(豪)とサウジアラビアは勝ち点1差の16とほとんど差がなく3チーム並列でトップ争い。残りは2試合ずつ。日本が豪とサウジの強敵2国と戦わねばならないのに対し、豪は最下位のタイ、サウジは4位のUAE(アラブ首長国連邦)が相手。グループ2位までがW杯出場権を得られる(3位はプレーオフ)が、3チームで日本が一番厳しい状況に追い込まれた。