「不安な個人、立ちすくむ国家」で指摘 定年退職後、元気な男たちの無為の日々

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家に引きこもる夫は妻の健康をも害する

   男性の定年後の暮らしに関する議論は、今に始まったことではない。ネットの質問投稿サイトを見ると、「定年退職後、夫がいつも家にいてウンザリ」「父が家でぶらぶらしていてイライラ」といった悩みが寄せられている。グーグルで「定年、男」と検索すると、関連キーワードとして「定年後、やることがない」「定年後、テレビばかり」と表示される始末だ。

   家に引きこもる夫は、妻の健康をも害する。J-CASTヘルスケアは2016年2月10日付で、「旦那長生きで妻の死亡リスク倍増 鈍感な夫の日々の行動がストレスに」という記事を公開した。大阪樟蔭女子大教授の石蔵文信氏が、「夫源(ふげん)病」と名付けた。石蔵氏の著書「妻の病気の9割は夫がつくる」などによると、夫のささいな日常行動で妻のストレスが増していくという。例えば、「妻が食事の準備をしているのに、テレビを見ながら晩酌中の夫が、やれ『リモコンだ、つまみだ』とちょっと手を伸ばせばすむことを要求する」といった具合だ。ストレスがかかり続けると、妻はやがて自律神経が暴走し、更年期障害と似た症状が出てくる。

   先述の「不安な個人、立ちすくむ国家」には、定年後の生きがいについてのデータもある。仕事をしていない高齢者で「生きがいを全く感じていない」「生きがいをあまり感じていない」と答えた割合は23.1%だったのに対して、会社の常勤・顧問等で働いている人は11.3%と半分以下だった。エネルギーたっぷりなのに発散しようのないシニア男性たちが、腕を振るう場がなく途方に暮れている。

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