「ハトムギ」と「クコの実」の美肌効果がスゴイ
さて番組では、いま漢方の世界で健康効果が注目されている食材を2つ紹介した。「ハトムギ」と「クコの実」だ。ともに漢方の生薬として使われてきた。最近、ハトムギに含まれるコイクセノライドなどの成分に美肌効果があることがわかり、化粧品の材料に使われている。コイクセノライドを発見、その効果を論文に発表した金沢大学の太田富久名誉教授はこう説明する。
太田教授「老化によって肌のコラーゲンがなくなるとシワになります。皮膚には、線維芽細胞と呼ばれる細胞があって、コラーゲンを作るのですが、年をとると線維芽細胞が減ってしまうのです。ところが、ハトムギの成分を線維芽細胞に加える実験を行なったところ、48時間に線維芽細胞の数が1.7倍まで増えることが分かりました。ハトムギの成分が新しい細胞をどんどん作り出すのです。シミ・シワも全部ではないですが、かなり解消していく方向になり、美肌・美白の効果が現れます」
実験に使ったハトムギエキスの量は、ハトムギ(殻つき)に換算すると16グラム程度。
日常の食生活で食べる場合には、ハトムギを飯に混ぜると手軽に取ることができる。
もう1つの「クコの実」は、杏仁豆腐のトッピングでおなじみの赤い実で、「ゴジベリー」とも呼ばれるといえば、ああアレねと納得する人が多いだろう。現在、紫外線から肌を守る効果があるとして、特に米国で大人気だという。
番組では、資生堂の研究所が行なった実験映像を公開した。クコの実エキスを4週間飲んだ人と飲んでいない人の肌に紫外線を当て、肌の変化を調べた。肌の細胞に発生する活性酸素の量を特別な装置を使って比較した。活性酸素は紫外線やストレスなどによって体内に生まれ、老化を引き起こす原因になる。すると、事前にクコの実を食べていた人は、明らかに活性酸素の量が少なかった。紫外線のシミが出来る前に、強い体質を作るという発想は漢方が長年培ってきた予防医学の真骨頂だ。
ハトムギやクコの実について、金沢大学の太田教授はこう解説する。
太田教授「ハトムギはもともと筋肉のこわばりを治す薬、クコの実は強壮作用によって元気になったり、肝臓や腎臓を良くしたりする薬として使われてきました。美肌の効果に注目し始めたのは最近なのです。民間的な使われ方の良さが、最新科学で分かってきているのです。ただし、クコの実は、アレルギーの人や妊婦は控えた方がいいでしょう。一般の人では1日の摂取量の目安はおよそ10グラムです」
MCのお笑い芸人・後藤輝基「ハトムギの美肌効果は、どれぐらいで出てくるのでしょうか」
太田教授「早い人で3週間ぐらいです。しっとりしてきますよ(笑い)」
最後に丁宗鐵・日本薬科大学学長がこう語った。
丁宗鐵さん「両方とも、昔から漢方ではアンチエイジングの目的で使ってきました。だから、皮膚だけが良くなるわけではないのです。内臓などカラダの内側も若返る作用があります。それが一番ポイントですね。漢方の究極の美は健康にあり、です」