薬膳が直らない「肥満体質」を変える! 漢方で無理なくスリム&ビューティー

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【美と若さの新常識 漢方医学の神髄】(NHKBSプレミアム)2017年6月8日放送
究極の美は健康にあり 薬膳であなたの体質を改善する

   これまで何度ダイエットのために運動をしたり、食べたいものを我慢したりしただろうか。それでも続かなかったアナタ、頑張ったのにダメなのはアナタの体質がもともとダイエットに向かないのかもしれない。

   体質を変えれば、ダイエットができるばかりか、健康になれる。人間の体質の「虚と実」を見極める「漢方」と「薬膳」の力を借りてはいかが。

  • 杏仁豆腐のトッピングの「クコの実」がスゴイ
    杏仁豆腐のトッピングの「クコの実」がスゴイ
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「冷え」体質の人にダイエットが難しい理由

   番組のゲスト、日本薬科大学学長の丁宗鐵(ていむねてつ)さんは、西洋医学の内科と東洋医学を合わせた総合的医院を開いている。丁さんが行う漢方医学の基本的な診察は、まず患者の状態を詳しく聞き取る「問診」。そして、舌の状態を見て体調を判断する「舌診」。さらに、お腹の周りをじっくり触り内臓の状態を確かめる「腹診」を行なう。患者の検査データをパソコン画面で見ることが多く、あまり体には触らない西洋医学とはだいぶ趣が違う。丁宗鐵さんは「ダイエットの前に自分の体質を知ることが最も大切だ」と強調する。

丁宗鐵さん「ダイエット法はパターンに分けられています。自分の体質がどれに当てはまるのかを、まず知ることが大事です。そうした上でダイエットを始めないと、単なるお金と時間の無駄使い。それに健康まで害してしまう。診察で見極めた、人間の体質を漢方医学では『証』(しょう)といいます。『証』をわかりやすく理解してもらうために2人の女性に実験を行なってみましょう」

   氷水が入ったたらいに、2人の女性が1分間足をつけ、冷えた状態を作った。一見、ダイエットと無関係に思われるカラダの「冷え」だが、この「冷え」がやせにくい体質の原因になる。次に氷水から足を出し、サーモグラフィーで体温の変化をみた。5分後の画像で比較すると、1人の足は明らかに体温が上がったのに、もう1人の足は冷えたまま。漢方では、体温が戻った人の体質を「実証」、戻りにくい人の体質を「虚証」と呼ぶ。

丁宗鐵さん「虚証の人はカラダ全体の代謝が悪く、手足にあまり血液を送らないから冷えやすい。実証の人はその逆。筋肉にも血液がいっぱいあるから代謝が高い。これが虚証と実証の違いで、虚証の人はダイエットが非常に難しいのです」

   実証の人の特徴は「体力に自信がある」「暑がり」「胃腸が丈夫」「顔色が良い」「食欲旺盛」などだ。一方、虚証の人は「疲れやすい」「寒がり」「食が細い」「声が小さい」「体力があまりない」などの特徴がある。

丁宗鐵さん「同じ肥満でも、実証と虚証の肥満は違います。実証の人は単なる食べ過ぎだから食べる量を少なくすればいい。虚証の肥満の人は代謝が悪いから、それほど食べていなくてもやせられない。そして、ちょっと多く食べると太って、どんどん脂肪が蓄積していく。だから、体質を変えないとダメなのです」
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