身長伸ばすには...やっぱ牛乳でしょ 5000人の子どものデータ解析

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   植物由来による健康効果から、牛乳に代わる飲料として人気が高まっているアーモンドミルクやソイミルク(豆乳)だが、身長を伸ばす効果では牛乳には及ばないようだ。

   カナダから寄せられた研究報告によると、植物由来のミルク製品を飲んでいる子どもたちは、同年齢の平均身長を下回っていた。

  • 米国などのスーパーで牛乳由来ではないミルク製品の売り場が拡大している
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3歳児で1.5センチの差

   報告を寄せたのは、カナダ・聖ミカエル病院のジョナサン・マグァイア博士らの研究グループ。さまざまな応用研究のために同国内で集められた2歳から6歳までの子ども5034人のデータを解析し、その結果を2017年6月7日付で米栄養学会の学会誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」で発表した。

   研究の結果、牛乳由来でないミルクを飲んでいる子どもたちは、牛乳を飲んでいる子どもたちと比べると、身長で年齢相応の数字を下回るということだった。牛乳由来ではないミルクを飲むほど背は低くなる傾向という。

   子どもたちの「ミルク摂取」を分析すると、92%が基本的に毎日牛乳を摂取。一方、13%が毎日、牛乳由来ではないミルクを飲んでいた。牛乳由来ではないミルク1日250ミリリットル摂取につき身長は4ミリ低く、逆に、牛乳の同量摂取につき2ミリ高い割合だった。

   牛乳由来ではないミルクを1日に250ミリリットルのカップで3杯飲む3歳児の場合、牛乳を同量飲む3歳児と比べて身長は1.5センチ低かった。

   牛乳と牛乳由来ではないミルクを合わせて飲み、平均より低い身長の子どもがいたが、研究者らはこのことは、牛乳由来でないミルクによる身長の伸びを抑える効果が牛乳の効果を上回ることを示唆しているとみている。

栄養成分さまざまな牛乳由来ではないミルク製品

   牛乳について米国では、国立衛生研究所(NIH)が、そのたんぱく質や脂質が1歳未満では消化が困難として与えないよう勧告。1歳以上には脳や骨のために有益とされている。

   マグァイア博士によると、牛乳2カップに含まれるたんぱく質は約16グラムで、ちょうと3歳児に対する1日の摂取推奨量にあたる。これに対し、牛乳由来ではないミルクの同量のタンパク質は4グラムにとどまる。「カナダや米国では牛乳の栄養成分を決められているが、牛乳由来ではないほとんどの製品については決まりがない。このため製品ごとに成分にばらつきがある」という。

   牛乳アレルギーや、植物由来の健康効果の認知拡大で、米国やカナダでは牛乳由来ではないミルクの子ども向け消費が増えている。マグァイア博士らは、それらの製品の栄養成分に注意が向けられるべきと考えている。

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