政府は2017年6月9日、最新版の「消費者白書」(16年度版)を閣議決定し、公開した。その中で、「最近注目される消費者問題」として、「高齢者が巻き込まれる詐欺的手口」など6項目を挙げ、注意を促した。
同6項目中で、「急増した相談」として特記したのは、「お試し」のつもりで申し込んだのに「定期購入」させられたトラブル。全国の消費生活センターなどへ寄せられた、2016年度の相談件数は約1万3000件で、前年(15年度)と比べ約3.4倍、4年前(12年度)と比べると約20倍に急増している。
健康食品や化粧品、飲料で
同白書によると、消費者がインターネット通販などで「お試し」のつもりで申し込んだのに、「定期購入」を申し込んだことになってしまった、という相談が2016年度に急増した。対象商品について、16年度の相談件数1万3129件の内訳をみると、「健康食品」が最多の9678件で約74%を占め、「化粧品」(2193件、約17%)が続いた。他に「飲料」の相談も寄せられている。具体例としては、健康食品では「酵素やダイエットサプリ」、化粧品では「美容クリームやニキビケアクリーム」、飲料では「青汁」が挙げられた。
相談の約8割は女性から寄せられた。女性の中では、40代が約30%で最も多く、10代と20代の若年層も計約20%を占めた。
手口としては、「お試し価格●円」など、無料もしくは安い値段で「お試し」ができるような表示を目立たせながら、実は「定期購入」が条件となっていることが、小さい文字で表示されたり、注文画面とは別ページで触れていたり、といったパターンが多い。また、解約しようとしても電話がつながらなかったり、通常価格での買い取りを求められたりする例も多かった。
消費者庁は、不安に思ったりトラブルが生じたりした場合は、最寄りの消費生活センターなどへ相談するよう呼びかけている。