猪瀬直樹氏インタビュー(後編)
都議選は「都政を本来の姿に戻す」機会

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「傀儡政権状態を解消し、都政を本来の姿に戻すのが今回の都議選」

――2016年の都知事選での言動をみると、猪瀬氏は小池百合子知事(64)誕生に期待をかけていたと見受けられますが。

猪瀬氏 都知事選の告示日直前に受けた経済情報サイト「NewsPicks」のインタビューの反響はすさまじいものでした。インタビューの中で私は、自民党都議として在任中に内田氏に追い詰められて自ら命を絶った樺山卓司氏の遺書を公表し、都議会の権力構造を明らかにして、「ドン」内田氏の存在を浮き彫りにしました。闇の中にいた「敵」を見える形にしたことで、SNS上で大きなうねりを生み出しました。小池氏も「ドン」が問題なんだと発信し、自民・公明の候補や野党統一候補を圧倒していきました。選挙戦終盤には、樺山氏のご遺族が小池氏の応援に立ちました。それと、都は、都知事選まっただ中の7月下旬に築地市場の解体工事の入札と発注を行いましたが、状況的におかしいでしょう。こういった事実があるという状況証拠を出していくことで、小池氏への投票行動につながっていったのです。

――その小池知事就任後初の都議選が6月23日に告示、7月2日に投開票されます。この都議選の意義はどのようなところにあると考えていますか。

猪瀬氏 まず、舛添要一知事の時に、それまで普通にやってきたことが都議会との関係で「傀儡政権」のようになりました。その傀儡政権状態を解消し、都政を本来の姿に戻すのが今回の都議選になります。

   議会の与党から首相が選ばれる国政の議院内閣制は予算が通りやすい構造になっていますが、地方自治体は首長と議会議員を別々に選挙する二元代表制です。都知事と都議会与党が対立する場合もあり、そうなると予算だって通りません。この点で言うと、小池知事に勢いがなくなってきた場合に備えて、代表を務める都民ファーストの会(都民ファ)は協力政党・会派を含めて過半数を取っておかないといけません。

   都民ファと選挙協力を進める公明党は現在23議席で大きくは変わらないでしょうから、都民ファーストの会が(合わせて過半数の64議席に達する)41議席あればいいですが、ギリギリのところでしょう(編注:都民ファは6月1日時点で公認候補者数は48人)。でも、都民ファと公明で64議席に届かなくても、他の「反自民党」の少数勢力が是々非々で都民ファにつくと考えられます。
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