スキムミルクや低脂乳を毎日摂取
分析ではまた、摂取量からの分析も実施。乳製品を毎日3人分以上を摂取した人たちは、1人分以下の摂取の人たちと比べ、パーキンソン病の発症リスクが34%高かった。
乳製品のなかでも、牛乳の摂取と同病の発症リスクの関連が顕著。スキムミルク(脱脂乳)か低脂肪乳を毎日1人分(推奨量)以上摂取した人たちは、1週間に1人分以下の摂取にとどまった人たちと比べて、発症リスクは39%高かった。
摂取推奨量は、米保険福祉省(HHS)と同農務省が16年1月に公表した「米国人のための食生活指針(2015-2020)」にあり、乳製品のは1日あたりコップ3杯ほど(牛乳では約711ミリリットル)。
米国の牛乳は、乳脂肪分1%のものが低脂肪乳。脱脂乳にはスキムミルクのほか、ファットフリーミルク、ノンファットミルクがある。日本では乳脂肪分0.5%以上1.5%以下が低脂肪乳。
論文でヒューズ氏は「研究は、低脂肪ミルクを多く摂取すると病気のリスクが増すことを示せた」とする一方、報告は調査から得られたデータであり、因果関係を示すものではないと断っている。
これまでにも乳製品とパーキンソン病の関連を指摘する研究報告が行われているが、製品中の農薬などの関与も示唆されている。ヒューズ氏はまた、別の研究で腸内細菌のかかわりが指摘されていることに言及し「さらに研究する必要がある」と述べている。
厚生労働省のウェブサイトによると、パーキンソン病の原因は現段階では不明。家族性パーキンソニズムの原因となる遺伝子異常が関与することや、環境因子が影響することも明らかとなっているという。国内の患者数は約10万人と推計されている。
発症年齢は50~65歳に多いが、高齢になるほど発病率が増加する。40歳以下で発症するものは若年性パーキンソン病と呼ばれ、この中には遺伝子異常が明らかにされた症例も含まれる。