消費者から取り扱い厳格化求める声
「プライバシー保護」への消費者側の意識も敏感になっている。調査会社のマクロミルが2017年5月に、1000人を対象に行った調査では、「プライバシーポリシー・個人情報保護方針」の有無を確認しているかとの問いに、「必ず確認する」が12%、「確認する方が多い」が45%となり、57%がプライバシーポリシーを意識している。
また、昨今の個人情報保護の状況について、厳重にすべきか緩めるべきかとの問いには、「今よりも厳重にすべき」が53%にものぼり、過半数が個人情報の取り扱いの厳格化を求めている。
今回の改正法によって、たとえば、消費者側は情報開示の再請求や情報の削除要求が可能になり、企業がこれに応じない場合は訴訟の提起、仮処分の申し立てができるようになる。牧野総合法律事務所は、「企業側は開示などへの対応をせざるを得なくなるのに、事前の手当すらしていない危険な状況にあるわけです」と、説明する。
「インターネットが普及している現代において、各企業の『顔』ともいうべきホームページに掲載された個人情報保護指針(プライバシーポリシー)が法律に対応したものでなければ、株主や顧客から、企業のコンプライアンス(法令遵守)意識を問題視されても致し方ないといえる」と指摘している。