韓国・済州ユナイテッド戦での乱闘騒ぎで、アジアサッカー連盟(AFC)は日本の浦和レッズに対しても罰金を科す処分を発表し、ネット上で「到底納得できない」と不満の声が相次いでいる。
この乱闘騒ぎは、埼玉スタジアムで2017年5月31日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメント1回戦第2戦で、試合終了間際に起きた。
済州は「3選手処分、罰金440万円」に異議申し立てへ
第1戦も合わせて2対2となり、延長戦にもつれ込んで浦和が1点を挙げた後半のことだ。済州の選手が頭突きのような行為を行い、選手らの小競り合いが始まると、控えでベンチにいた済州DFのペク・ドンギュ選手が走って来て、浦和MFの阿部勇樹選手にいきなり肘鉄を食らわせた。
ペク選手にはレッドカードが出されたが、浦和2選手と済州の別の1選手にもイエローカードが出された。再開後すぐに試合は終わり、浦和の選手らは勝利を喜んだが、ここでまた騒ぎが始まった。
決勝ゴールを見てガッツポーズをした浦和DFの槙野智章選手が、済州DFのクォン・ハンジン選手ら3人ほどに追いかけ回され、クォン選手は、試合後にも関わらずレッドカードが出された。
この乱闘騒ぎを受けて、AFCは6月9日、裁定結果を発表した。
阿部選手に肘鉄を食わらせたペク選手は、3か月の出場停止と1万5000ドル(約165万円)の罰金が科せられた。退場処分を受けながら乱闘に加わったとして、済州DFのチョ・ヨンヒョン選手は、ペク選手より重い6か月の出場停止と2万ドル(約220万円)の罰金が科された。また、槙野選手を追いかけ回したクォン選手は、AFC公式戦2試合の出場停止と罰金1000ドル(約11万円)が科された。
乱闘騒ぎでは、済州のクラブに対しても、4万ドル(約440万円)の罰金が科されたが、浦和のクラブにも、一部が乱闘騒ぎに加わったとして、2万ドル(約220万円)の罰金が科された。
浦和「今後の対応は、公式サイトで報告」
こうした処分内容が報道されると、ニュースのコメント欄やツイッター上で、AFCの裁定についての不満が渦巻いた。
浦和への罰金について、
「どこの世界に殴られた側に罰金を課すルールが存在する?」
「到底納得できない裁定だ」
「浦和は断固拒否しないといけない」
などと反発が相次ぎ、済州側への処分についても、「何でエルボーした奴がたったの3ヶ月?」「処分が甘すぎ」といった不満が出ている。
一方、韓国のネット上でも、
「ジェスチャーで挑発した浦和に非がある」
「済州に重い裁定はおかしい」
と不満が高まっており、韓国メディアによると、済州は処分を不服として異議申し立てをする方針だという。
浦和は6月9日、公式サイト上で「AFCの裁定を受けて」のタイトルでコメントを出した。そこでは、「試合後の騒動に関わったこと、また試合の価値を落としたことにより、浦和レッズに2万ドルの罰金が科されると発表がありました」とし、「規定に基づき、裁定内容について詳細を確認しておりますので、今後の対応につきましては、あらためて、オフィシャルサイトを通じて、ご報告させていただきます」 としている。