エスペラント部分の8割に「添削」が入った
J-MENTさんが書き上げたエスペラントの文章はすべて、日本エスペラント協会から紹介を受けた藤巻謙一氏が言語監修を務めた。藤巻氏は文法本『はじめてのエスペラント』などの著作で知られ、同協会の認定講師に選ばれている。
J-MENTさんによれば、エスペラント部分のおよそ8割に藤巻さんの添削が入ったという。前後のセリフとのニュアンスも含めてチェックして貰ったため、「限りなくエスペラントのネイティブが話す内容に近くなっている」(J-MENTさん)という。
さらに、キャラクターの音声にもこだわった。エスペラントの発音をよりネイティブに近くするため、キャラクターの声優は英語が堪能な人を選んだ。加えて、音声の収録時にはエスペラント協会の担当者が立ち会って、声優と一緒に発音を確認する予定だという。
こうした言語への「こだわり」を徹底した理由について、J-MENTさんは「実際に存在する言語を扱うので、生半可なことはできないと考えた」と話す。シナリオを書き上げた後の感想を聞くと、
「いつものことなのですが、『ここも直したい』『あそこも直したい』と思う事ばかりです。とくに今作は、言語を覚えながら書いたので、いまになって思い返すと『こう表現すればよかったなあ』と思う箇所がいっぱいありますね(笑)」
と話した。プレイヤーに向けてのメッセージを伺うと、次のように語った。
「言語を理解し、あとあと物語を振り返ったとき、『実はあのとき、ルカ(編注・ヒロインのこと)はこんなことを言っていた!』的なギミックも多く含まれておりますので、その辺りもスルメのように楽しんでいただければ幸いです」