「通報系女子」愛知県警痴漢防止ポスターに賛否 「効果ある」「えん罪増やす」

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   萌えイラストを使った愛知県警の痴漢防止ポスター「通報系女子」が、ツイッター上で賛否両論になっている。えん罪被害がクローズアップされる中でもあるからだ。

   ポスターを見ると、右手を上げて笑顔でピースする若い女性の姿がピンク色を背景に描かれている。「痴漢 発見次第 即 通報系女子」。タイトルには、こうあった。

  • 駅に貼り出されたポスター(ポスター制作会社のホームページから)
    駅に貼り出されたポスター(ポスター制作会社のホームページから)
  • 駅に貼り出されたポスター(ポスター制作会社のホームページから)

「『痴漢=即通報』でワンランク上の女子に!」

   呼びかけたのは、愛知県警の鉄道警察隊だ。通報の手順として、「被害者に声をかける」「周囲の人や駅員に助けを求める」「その場で110番」と、イラストの女性を使って説明されている。さらに、「『痴漢=即通報』でワンランク上の女子に!」と訴えていた。

   地元の東海テレビの6月7日付ウェブ版記事によると、この日にJR名古屋駅前で行われた痴漢撲滅キャンペーンでポスターが披露され、女性警察官が「通報系女子」に扮して手順を教えた。この警察官は、「盗撮している人がいます。協力して下さい。駅員呼んで下さい」と痴漢役の手をつかんで声を上げていた。薄着になる真夏を前に、電車内での盗撮や痴漢を未然に防ぐのが狙いだという。

   ポスターについては、6月初め前後からツイッターで写真が次々にアップされて、論議を呼んでいる。

   賛同する声としては、「痴漢にはやめろと言うだけじゃききづらい」「全くそうだねって思う」といった書き込みがあった。

   一方、6月3日に東京都江戸川区内のJR総武線・平井駅で、女性から痴漢と名指しされた男性が目撃者の証言を得て警察から解放された騒ぎが動画投稿されて話題になっただけに、「タイミングが悪い」との意見があった。

自ら通報する女性は、1、2割

   ポスターの内容についても、「冤罪が増えそうな悪寒」(原文のママ)「ランクアップは関係ない」「痴漢冤罪防止の張り紙も作れ」などといった疑問も上がっている。本当に痴漢行為があったのか、よく確かめないまま通報すれば、えん罪の温床になるのではないかということだ。

   愛知県警の鉄道警察隊は6月9日、J-CASTニュースの取材に対し、こう説明した。

「『被害者に声をかける』というのが、手順として痴漢行為を確かめるということです。被害に遭って自ら通報する女性は、1、2割しかいないとの統計が出ています。それではいけない、氷山の一角では困るということで、目撃されたら勇気を持って通報して下さい、と呼びかけるのが今回のポスターです。痴漢と勘違いするケースについては、警察がきっちり捜査することになります」

   ポスターは、県の予算で約500枚を制作したとしている。

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