悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすなど、オリーブオイルには多くの健康効果が知られている。
その作用のもとになっているオリーブオイルのオレイン酸に脳腫瘍を予防する可能性があることがわかった。英エジンバラ大学の研究チームが分子生物学専門誌「Journal of Molecular Biology」(電子版)の2017年6月2日号に発表した。
オレイン酸が、がん細胞の攻撃役をどんどん増やす
オレイン酸には、悪玉コレステロール値を下げることのほかにも、腸のぜん動運動を促し便秘解消が期待できる、脳の満腹中枢に働きかけて食欲を抑える、抗酸化作用が強く、糖尿病や脳血管障害の予防が期待できる、などの効果が知られている。
エジンバラ大学のプレスリリースによると、同大生物科学部のグラークヤン・ミチェルスキー教授らのチームは、研究室で培養した人間の脳腫瘍の細胞にオレイン酸を投入する実験を行なった。すると、がん細胞の増殖が抑えられ、腫瘍が縮小した。これは、どういうことか。細胞のなかには「miR-7」というタンパク質があり、がん細胞が増殖するのを防いでいる。オレイン酸に含まれている「MSI2」というタンパク質が、この「miR-7」をどんどん産生させて、がん細胞の攻撃する働きをサポートしているのだ。