有効性に疑問の声
日本での子どもの肥満率は、文部科学省が毎年発表している「学校保健統計」によると年々減少傾向にあるとされ、成人も厚生労働省の「国民健康・栄養調査報告」ではここ10年ほどは横ばいだ。ただ、2015年には厚労省の有識者会議で砂糖税の導入が提言されており、いずれは課税ということもありえなくはない。
ただし、砂糖税の有効性に疑問を投げかける声は少なくない。英国では発表当時、課税によって肥満者が減少するというエビデンス(科学的根拠)がないにも関わらず、砂糖税が導入されることに疑問を投げかける新聞も存在した。
今回のシアトルでも、課税対象からはダイエットソーダや、エスプレッソをベースに牛乳やクリーム、シロップなどを加える「シアトル系コーヒー」など一部の飲料は外れていることに、「砂糖が含まれていなくてもダイエットソーダの危険性を指摘する研究があるのに、これらを除外することは単なる健康志向のポーズだ」と反対票を投じた議員がいたことをシアトル・タイムズが報じている。同紙の取材に対し、シアトルに本社を置くスターバックスからコメントは得られなかったという。
広がりを見せている砂糖税だが、世界各国で議論を呼びそうだ。