一橋大学の学園祭「KODAIRA祭」で予定されていた作家・百田尚樹氏(61)の講演会が、開催8日前になって中止になった。学園祭実行委員会が発表した。
百田氏は中止決定後、ツイッターで「実行委員会に対する某団体の圧力の手口を色々と聞いた」と発言。実行委もJ-CASTニュースの取材に、「反対運動や署名活動が影響していたことは事実です」と答えている。
6月10日に開催予定が、2日に中止発表
2017年の「KODAIRA祭」は、一橋大学・国立キャンパスで6月10~11日に開催され、その1つの企画として百田氏の講演会が10日に予定されていた。ところが実行委は6月2日、公式サイトで百田氏の講演会中止を発表し、「KODAIRA祭を目前にしたこの時期に中止となったことに関しまして、関係者の皆様、講演会を楽しみにしてくださった方々など、多くの方に多大なご迷惑をおかけしてしまうことを大変申し訳なく思います」と謝罪した。
発表では中止の理由を「本講演会がKODAIRA祭の理念に沿うものでなくなってしまったこと」としている。同学祭は「『新入生の歓迎』を第一義とするもの」であり、「当委員会の企画のために、新入生の考案した企画や、新入生の発表の場である他の参加団体の企画が犠牲となることは、当委員会では決して容認できるものではありません」という。これまで「本講演会を安全に実施するため、これまで幾重にも審議を重ね、厳重な警備体制を用意していました」とするものの、「それがあまりにも大きくなりすぎたゆえ、(いくつもの企画が犠牲となり、)『新入生のための学園祭』というKODAIRA祭の根幹が揺らいでしまうところまで来てしまいました」として中止に至った。
なぜ「他の参加団体の企画が犠牲」となるおそれがあったのか、「厳重な警備体制を用意」する必要があったのかなど、その状況に至るまでの具体的な事情は書かれていない。
講演会が中止になった百田氏は5日、ツイッターで「一橋大の実行委員会に対する某団体の圧力の手口を色々と聞いた。彼らは幾度も執拗に講演中止を要求したそうだ。その中には『百田の講演を聞いてショックで自殺したら、どう責任を取るのだ?』というのまであったという。そんな講演をする気はないが、それでも心配なら聞かなければいいだけだろう」と述べている。