ダンス・ボーカルグループ「EXILE」メンバーらの出演などで注目を集めた映画「たたら侍」(錦織良成監督)の上映打ち切りが決まった。出演者の俳優、橋爪遼容疑者が覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたことを受けた措置だ。
ツイッターなどでは、打ち切りは残念だと惜しむ声だけでなく、今回の措置はやむを得ないと理解を示す意見や、過剰反応だと反発する指摘などが寄せられている。
「やむを得ず、最短で6月9日をもって上映を終了することと...」
「たたら侍」は、戦国時代を舞台に青年の成長を描く時代劇。「EXILE」のHIROさんが初めてプロデュースした映画作品で、「EXILE」のAKIRAさんらが出演している。昨2016年9月のモントリオール世界映画祭(カナダ)の最優秀芸術賞なども受賞し注目を集め、17年5月20日に全国公開された。
しかし、公開から間もない6月3日、鍛冶大工の息子役を演じていた橋爪遼容疑者が2日に逮捕されていたことを各メディアが報じた。遼容疑者は、俳優の橋爪功さんの息子であることでも注目を集めた。これを受け、同映画の製作委員会は5日、公式ホームページで、9日から順次、公開を打ち切る措置を公表した。
「出演者に関する一連の報道を受けまして」と、橋爪容疑者の名前は出さない形で理由に触れ、「やむを得ず、最短で6月9日をもって上映を終了することとなりました」と、公開3週間での打ち切りを発表した。
同作は、製作費10億円以上とみられる大作で、このクラスなら少なくとも4週間は公開が続くのが普通ということもあってか、たとえばスポーツニッポン(ネット版)は6日、上映打ち切りのニュースを「製作費10億円超もわずか3週間で」などの見出しで報じた。
また、出演者のAKIRAさんは6日、都内であった出版イベントで、上映打ち切りについて「ビックリしました」と感想を述べた。スポーツ紙各紙(ネット版)が報じている。
こうした報道を受け、ツイッター上では、「EXILE」ファンや映画を楽しみにしていた人たちが、
「あんなに時間とお金をかけて大切に作った映画が、たった1人の行動で打ち切りになるなんて信じられない」
「これは最悪だわ。こいつのせいで。なにしてくれてんだよ」
「出演者辛すぎる」
などと、驚いたり怒ったりする声をあげていた。
「仕方ないよなぁ」「過剰反応しすぎでしょ」
他にも
「仕方ないよなぁ。あんなこと起きちゃうと」
と理解を示す声がある一方、
「過剰反応しすぎでしょ」
「こんなことで上映中止って...過剰反応過ぎるよ」
と指摘する人も相次いだ。
中には、
「(興行的に)コケたから、騒動のせいで...って言い訳にしたいだけでは?」
などと、想像を交えて「裏事情」の分析を披露する人もいた。
興行通信社サイトのランキングによると、「たたら侍」は、公開初日の5月20日(土)、21日の週末興行成績でランキング10位にとどまった。2週目の週間ランキング(5月27日~6月2日)はトップ10圏外、6月3・4日の週末ランキングでも圏外だった。
一方、同作の製作委員会は、先のホームページ上の発表で「今後も皆様に映画『たたら侍』をお届けできる環境を整えるべく、引き続き検討してまいります」ともしており、橋爪容疑者の出演場面をカットした版の再上映やDVD販売などを視野に入れた取り組みも公表している。