「断食」は人類史上最高最強の健康法か 眠っていた若返り遺伝子のスイッチがオン

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プチ断食に「ウサギ方式」と「カメ方式」

   しかし、日常生活で断食を実践するのはハードルが高い。伊藤教授も「本格的な断食は医師の指導のもとで行なわないと危険だ」と指摘する。もう少し手軽に「断食メモリー」が働くようにならないものだろうか。番組では、自己流で実践している2人の「プチ断食」を取り上げた。「ウサギ方式」と「カメ方式」の対照的な2人だ。

   ウサギ方式の実践者は男性の高木さん(43)。高木さんは断食道場に年2、3回通い続けている。そして自宅では週に1回、半日の断食をしている。朝昼はお茶以外口にせず、夜だけ普通に食べる断食だ。断食を始める前は66キロだったが、断食を始めて5キロ減量。しかも8年間同じ体型を維持している。

   一方、カメ方式は女性の日暮さん(26)で、毎日カロリー制限をしている。朝食はニンジンとリンゴを絞ったジュースと梅干し1個。お昼もアーモンドパウダーを紅茶に溶かしたドリンクだけ。夫と一緒の夕食は炭水化物を抜き、おかずだけ食べる。2人の1週間のカロリー総摂取量とケトン体の数値を比べてみると(注:ケトン体の基準値は26~122)――。

   (1)高木さん=摂取カロリー 1万6144キロカロリー/ケトン体 304

   (2)日暮さん=摂取カロリー 5138キロカロリー/ケトン体 355

   摂取カロリーは高木さんのほうが3倍高いが、ケトン体の数値は2人ともほぼ同じで、基準値よりかなり高い。高木さんは3倍多く食べているにもかかわらず、日暮さんと同じ効果を上げている。カメ方式とウサギ方式、断食効果を得るためには、どちらが良いのか。伊藤教授はこう指摘した。

伊藤教授「日暮さん(カメ方式)のやり方は、危なくてオススメできません。確かにケトン体の数値は上がりますが、1日に700キロカロリーしかとっておらず、慢性的な栄養不足でカラダが悲鳴を上げています。これを続けると筋肉が壊れていくなどの悪影響が出る心配があります。一方、高木さん(ウサギ方式)の方は、1週間に半日だけ断食をするだけで、ケトン体の数値が上がっています。ここが大事です。研究者として興味深いのはウサギ方式です。『頑張るときは頑張るけど、あと寝ている』というパターンです」

   さらに、伊藤教授はこうアドバイスした。

伊藤教授「最新研究では、健康な人が断食をすると、様々なよいことがあると分かってきました。しかし、断食をする場合には常に注意が必要で、基本的には医師の診断を受けて行うこと。個人で断食する場合は半日を目安に、最大でも24時間まで。特に高齢者や心臓病、腎臓病、糖尿病、脱水症状のある人が断食を行うと、ケトン体が上がりすぎて呼吸困難や昏睡(こんすい)などの危険があるため注意してください」
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