「断食」は人類史上最高最強の健康法か 眠っていた若返り遺伝子のスイッチがオン

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【美と若さの新常識】(NHKBSプレミアム)2017年6月1日放送
断食は体質改善のスイッチ 若返りの強い味方サーチュイン遺伝子

   断食はダイエットのためにあらず、体質改善のスイッチがオンになるスゴイ効用があるらしい。

   断食は、なんと人類数百万年の歴史でつちかった究極の健康法なのだ。空腹という命の危機に、眠っていたカラダの奥底から湧き出るパワーを最新科学が明らかにする。

  • 断食にはいいことがいっぱい
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月1回断食をするモルモン教徒に驚きの効果

   番組では冒頭、2015年5~6月に30日間、飲み物以外は一切摂取しない「不食」生活を実践して話題になった俳優の榎木孝明さん(61)のドキュメンタリー映像を公開した。榎木さんは不食中の心身の変化を、「持病の腰痛がなくなった」「セリフの覚えが速くなった」「スタミナが増した」「睡眠が深くなり4時間で十分になった」「武道の動きが鋭くなった」と語っている。実際、長い階段を一気に駆け上がる姿や、武術で棒をクルクル回す動きの映像を見ると、何も食べていない状態の人物だとはとても思えない。

   「断食の健康効果」は数値で測りにくいことから、これまで科学の研究の対象にならなかった。ところが、2011年に米国心臓病学会で宗教上の理由から毎月断食をするモルモン教徒の研究が発表された。米国ユタ州は人口の6割をモルモン教徒が占める。彼らは毎月最初の日曜日に、24時間、水以外は口にしない断食を行う。そこで、モルモン教徒と同じ町に暮らす一般住民との病気の発症率を比べてみると、モルモン教徒は心臓病の発症率が39%、糖尿病は52%も低いことがわかった。

   日本でも慶応義塾大学の伊藤裕教授がマウスを使った実験で、通常のエサを毎日食べるグループと、3日間ずつ断食を繰り返すグループを比較すると、断食マウスの方が太りにくい体質になった。この体質は断食終了後も3か月間続いた。伊藤裕教授はこれを「断食メモリー」と名づけ、断食をすると健康効果が細胞の分子レベルにまで影響を与え、ずっと続くことを明らかにした。

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