産経新聞がテニスの全仏オープンの韓国人選手の活躍について報じる記事で、見出しに「植民地支配」という表現が登場し、波紋が広がっている。
韓国のネット上の反応の一部を紹介する意図があったようだが、ツイッターやヤフーのコメント欄では「植民地云々がどう関係あるんだよ」といったブーイングが相次いでいる。
記事の大半は韓国選手の経歴を紹介する内容
波紋を広げているのは、産経新聞が6月5日に
「錦織圭を苦しめたチョン・ヒョンとは?『韓国がなぜ植民地支配に遭ったのかが分かる試合だった』」
との見出しで、ヤフーなどポータルサイトに配信した記事だ。同日付で産経新聞社のウェブサイトにもほぼ同じ記事が掲載されており、見出しは、6日18時時点では、
「錦織圭を苦しめたメガネのチョン・ヒョンとは何者だ? SNSに『韓国がなぜ植民地支配に遭ったのかが分かる試合だった』」
となっており、ヤフーよりも若干長くなっている。
記事は、錦織圭選手(27)が韓国の鄭現(チョン・ヒョン)選手(21)との2日間にわたる試合を制したことを踏まえて、対戦相手の鄭選手の経歴を紹介する内容だ。後半部分では、鄭選手が錦織選手に敗れた直後、「世界のトップ選手である圭とプレーできたのは凄く光栄」と賛辞を惜しまなかったことを
「ピッチ内で乱闘騒ぎを起こしたうえ、相手の日本側に責任転嫁する韓国サッカー界とは大きな違いだ」
という表現で称賛。その上で、
「『日韓戦』となれば極端に熱くなる韓国だけに、韓国国内のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上には、『韓国がなぜ植民地支配に遭ったのかが分かる試合だった。テニス、野球などスポーツでは依然、現在進行中だ』という意見が寄せられた」
と指摘した。記事の見出しは、この部分から取ったようだが、記事本文では
「『反日』的な意見はごくわずか。錦織人気もあってか、冷静な声が多数を占めた」
とも指摘しており、「ごくわずか」の声を、わざわざ見出しに取ったともとれる。