神奈川県相模原市内のJR相模湖駅前で、ツバメのフン掃除をしていた駅員が巣を壊してしまい、ヒナが落下していたことが分かった。
JR東日本八王子支社によると、目撃したという人からヒナは車にひかれて死んだとの情報が寄せられたが、八王子支社では、ヒナの死は確認しておらず、巣については、「故意ではなく誤って壊した」と説明している。
誤って掃除道具を巣にぶつけてしまい...
駅員が掃除をしていたのは、駅前のバス・タクシー乗り場の屋根だ。八王子支社の広報課が2017年6月5日にJ-CASTニュースの取材に答えたところによると、フンの汚れがあると駅の利用者から苦情があり、駅員2人が5月27日、高さ3メートルの屋根の下にある巣の周りの壁や蛍光灯を長い柄の先に布がついた道具でふき始めた。
すると、駅員が誤って掃除道具を巣にぶつけてしまい、巣の半分ほどを壊して、ヒナ1羽が下に落ちてしまったという。
その後、目撃したという人からJRのホームページ経由で意見があり、「巣を壊していたのではないか」と指摘があった。ヒナはよちよち歩いた後、車にひかれて死んでしまったという。
八王子支社では、駅員は落下したヒナを見失ったと言っているといい、柄のある道具だったため故意に壊したと誤解を招いたのではないかと釈明した。壊したのが意図的なものなら、殺傷したり卵を損傷したりすることを禁じた鳥獣保護管理法の第8条に違反するが、八王子支社では、「違反とは考えていません」と言っている。
しかし、結果的にヒナのいる巣を壊してしまったため、八王子支社では5月30日、神奈川県の県央地域県政総合センターにそのことを報告した。
「JRから話があれば、注意書きなどの対応はできた」
県央地域県政総合センターの環境調整課は6月5日、J-CASTニュースの取材に対し、JR側から巣を偶然壊してしまったと連絡があったことを認めた。そして、巣の周辺を掃除すれば巣を壊す恐れがあるため、「掃除のときは県の許可を取ってほしい」と口頭で注意したことを明らかにした。
八王子支社によると、県警の津久井署からも6月3日、巣が壊れた経緯について事情を聴かれ、故意ではなかったことなどを説明したという。
ネット掲示板などでは、フンの苦情があるのなら、注意書きを掲げてパイロンを置いたり、巣のすぐ下にフン受け板を設置したりすればよかったとの指摘がある。
この点について、八王子支社では、駅前のバス・タクシー乗り場は相模原市が管理しているので、駅員は注意書きなどの対応をしていなかったと説明した。市側に断らずに掃除したのは、フンの苦情があったからだと言っている。
市の津久井土木事務所は、土地を所有するJRと管理協定を結んで、乗り場の掃除をしていると取材に答えた。シルバー人材センターと契約しており、フンの床掃除はしていたという。履き掃除ぐらいしか手が回らないというが、「JRから話があれば、注意書きなどの対応はできたと思います」と話している。