【主治医が見つかる診療所】(テレビ東京)2017年5月29日放送
「深い呼吸で健康になるSP」
呼吸が浅く早い人が増えている。体内に酸素を取り入れる効率が悪くなり、体や脳の働きに悪影響がもたらされる。
番組では、呼吸を改善する3つのポイントを紹介した。そのなかから、寝ながら簡単にできる「ストレッチ」を紹介する。
肺は横隔膜ほか周りの筋肉が動かしている
まずは「浅い呼吸チェック」だ。次の7項目のうち、いくつ当てはまるだろうか。
(1)やる気が出ない時が増えたと感じる。
(2)寝起きが悪い方だ。
(3)首や肩がよく凝る。
(4)手や足が冷たく感じる。
(5)姿勢が悪いと言われる。
(6)息切れしやすくなった。
(7)すぐイライラしてしまう。
このなかで3つ以上、また(5)~(7)は1つでも当てはまったら、浅い呼吸になっている可能性が高い。
深く十分に呼吸できれば、リラックスできてイライラが解消され、免疫力や代謝がアップ、血流もよくなる。
「呼吸で若くなれるなら若くなりたい」と願うのは、番組ゲストでお笑いコンビ「クワバタオハラ」のくわばたりえさん(41)だ。そこで、呼吸の病気のリハビリ治療を主に研究している文京学院大学の柿崎藤泰教授を訪ねた。「どうすればいいか」を質問するくわばたさんに、
柿崎教授「キーポイントがあるんです。横隔膜です」
肺そのものには筋肉がなく、自力では伸縮できない。肺の周りにある横隔膜などの筋肉が肺を動かしている。だが柿崎教授によると、姿勢や加齢による筋肉の衰え、体の歪みが原因で横隔膜の動きが小さくなると、肺の動きも小さくなり、酸素を効率よく取り込めなくなる。
柿崎教授が提唱する、横隔膜をしっかり動かすストレッチが「寝るだけ横隔膜伸ばし」だ。
仰向けに寝て腰とひざを90度曲げ、深呼吸10回
最初に、くわばたさんの横隔膜が普段どれほど動いているかを確認した。みぞおちの辺りでメジャーをぐるりと体一周させる。息を吐き切ったところで測定すると、80センチだった。次に、今度は息を大きく吸う。これ以上は吸えないというところで再測定すると、82センチ。差は2センチだった。この差から、横隔膜が十分に動いているかが分かる。結果は......。
柿崎教授「赤信号です」
くわばたさん「ええーっ」
正常値は5センチ以上。一方で3センチ以下だと、浅い呼吸の可能性が大きい。くわばたさんは「アウト」。早速「寝るだけ横隔膜伸ばし」に挑戦だ。
椅子とバスタオルを用意したら、仰向けに寝て、腰とひざを90度に近い角度に曲げ、両足のひざから先は用意した椅子に載せる。椅子の高さを調節し、もしも低すぎたらタオルなどを入れて90度を保つようにしよう。
次に丸めたバスタオルをお尻の下に置く。お尻を高く、頭を低く傾斜をつけると、内臓が重力で頭の方向に下がり、横隔膜が自然に押される。
この状態で、深呼吸を10回繰り返す。胸と腹を同時にふくらませるように意識して鼻からいっぱい吸い、ゆっくりと吐き切る。朝と夜、1日2回行うと良い。
実際にくわばたさんが試して、終了後にもう1度メジャーで「横隔膜チェック」をした。10回深呼吸する前は測定の差が2センチだったのが、深呼吸後は4センチ。わずか2分ほどのストレッチだけで、即効性が見られたのだ。
スタジオでも、ゲストの大林素子さんと高田延彦さんがチャレンジした。深呼吸前後で測定すると、高田さんは差が6センチから7センチに、大林さんは7センチから10センチに、それぞれ改善した。
横隔膜は、インナーマッスルのひとつ。鍛えることで、代謝や消化が良くなる効果が期待できるという。