スーパースターの引退の言葉
これまで各界のスーパースターが辞めたとき、みんな気が抜けたような状態になった。
「我が巨人軍は永久に不滅です」
このセリフはミスタープロ野球こと長嶋茂雄が引退したときに夕闇のグラウンドで語ったものである。引退理由は宮里と同じ意味のことを全国のファンに伝えている。
世界記録の868本塁打を放った王貞治もそうだった。
「ファンが期待している王貞治のバッティングができなくなった」
最後のシーズンは30本塁打を打っていながら、である。
「力の限界」
涙をこらえて一気に言葉を発したのは大相撲の横綱千代の富士だった。
超一流選手は重荷を背負っているのだ。宮里の言葉を聞いていると、やはりつらかったのだろうと思う。スケートの浅田真央もそうだったはずだ。
スーパースターの大きな条件の一つの観客動員がある。宮里は05年の日本女子オープンで4日間、4万8677人を集めた。この記録は依然として最多記録となっている。長嶋も王も千代の富士も大勢の客を呼んだ。
女子ゴルフ界はこれから大変だろう。なにしろ米ツアーでもっとも模範的な選手に贈られる賞(12年)に輝いた選手である。とんでもない課題をゴルフ界は突きつけられた。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)