愛知万博の会場になった公園が「ジブリパーク」に生まれ変わると報じられ、ツイッター上などでは、やきもきする声も上がっている。それは、万博のキャラたちの処遇問題についてだ。
ジブリパーク計画は、中日新聞が2017年6月1日付朝刊の1面トップで大きく報じた。
公園の愛称も、「モリコロパーク」
「となりのトトロ」など人気アニメを抱えるスタジオジブリだけに、各メディアも後追いし、ネット上でも、大きな話題になった。
中日報道などによると、愛知県長久手市にある愛・地球博記念公園に、アニメの世界を再現した「トトロのふるさと村」などを整備する。自然を壊す開発はせず、パビリオン跡地などを活用する。ジブリの鈴木敏夫プロデューサーと愛知県の大村秀章知事が5月31日に会談し、20年代前半にオープンさせることで大筋合意したという。
公園には、ジブリが万博で公開した建物が、現在も有料で観覧できるようになっている。トトロに登場する昭和30年代の家を再現した「サツキとメイの家」だ。また、08年にジブリ展、15年にジブリの大博覧会を開くなど縁はある。
ただ、それ以外は、あくまでも万博を記念した公園であり、万博のキャラ「モリゾー」「キッコロ」が公園の顔として広く親しまれている。園内には、キャラのオブジェや植栽などがあり、公園の愛称も、キャラの名前から取って「モリコロパーク」だ。
それがジブリパークになるとの報道を受け、ツイッターなどでは、衣替えへの期待感が次々に書き込まれるとともに、心配する声も出始めた。
「モリゾーとキッコロがジブリパークに追いやられそう」
「ついにお役御免で森へ送還てことなのね...?」
愛知県「引き続き登場してもらう」
モリゾーとキッコロは、愛知県瀬戸市内にある「海上の森」に特別住民票が作られていることから、「きっと瀬戸市の海上の森に帰るのでしょう」といった見方も出た。ここは、かつて万博の予定地とされながらオオタカ発見で会場から外されたところだ。
また、ジブリパーク化後は、モリゾーはトトロの世界に位置付けられるのではないか、あるいはトトロと共演することになるはずだ、といった観測も出ている。
今後どうなるかについて、愛知県の公園緑地課長は6月1日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「全部がジブリの世界になってしまう印象を与える報道もありますが、そうではなく、公園の中にジブリの世界が点在するというイメージです。万博の公園自体がガラリと変わるわけではありません。ジブリの展示物とは今も共存しており、モリゾーとキッコロについても、引き続き園内で登場してほしいと考えています」
キャラの著作権管理をしている地球産業文化研究所でも、「特にうちの方では変更はなく、影響はないと考えています」と取材に答えた。スタジオジブリの広報担当者も「合意したのは事実ですが、内容など詳細は検討中です。万博のキャラですので、愛知県の考えがあるならそうなるのかなと思います」と言っている。