東京モーターショーの国際的な地盤沈下が鮮明となった。日本自動車工業会(自工会)は2017年10月27日~11月5日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催する第45回東京モーターショーについて、自動車と2輪車、商用車を合わせて内外のメーカー計27社、34ブランドが出店すると、5月22日に発表した。
しかし、この中にはゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手3社(ビッグスリー)のほか、フィアット、アルファロメオ、フェラーリなどイタリア車、ジャガー、ランドローバーなど英国車のメーカーが含まれておらず、モーターファンをがっかりさせている。
英国車は2005年以降初、イタリア車は4年ぶりの出展取りやめ
今秋の東京モーターショーに出展するのは、乗用車では日本の8メーカー、9ブランド(レクサスを含む)のほか、ドイツからはBMW、アウディ、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、ポルシェなどで、外国車としては最も多い。続くのはフランス車のシトロエン、プジョー、ルノーなどで、独仏以外はスウェーデンのボルボだけとなっている。
2輪車は国内4メーカーのほか、ドイツのBMW、米国のハーレーダビッドソン、カナダのBRPが出展する。乗用車と同じくイタリアのドゥカティ、英国のトライアンフなど人気メーカーは出展しない。海外からは、前回2015年の14社26ブランドから、13社19ブランドに減った。英国車が出展しないのは2005年以降で初めて。イタリア車は4年ぶりの出展取りやめという。
自工会は「展示面積が前回より約7000平方メートル広い、約8万7000平方メートルとなる。部品メーカーなども合わせると、世界10か国から150社・団体が参加する」と説明するが、英国、イタリア、米国の人気メーカー抜きでは、物足りなさは否めない。
「日本市場の販売に結びつかない」
自動車評論家の国沢光宏氏は、今回の発表の翌23日に更新した自身の公式サイトで、「ここ何回か東京モーターショーの存在感は薄れてきたけれど、一段とさびしくなってきたようだ」と指摘。「多くのモーターショーに出展し、日本でも販売しているGM、フォード、クライスラー、テスラ、フィアット、アルファロメオ、フェラーリ、ジャガー、レンジローバー、ロールスロイス、ベントレー、ランボルギーニくらいは出展してほしい」と嘆いている。
東京モーターショーはフランクフルトやパリと並び、世界の3大モーターショーとされた時期もあったが、近年は上海、北京などに押され、出展数で地盤沈下が目立つ。外国メーカーによると、「東京モーターショーは日本市場の販売に結びつかない」というのが理由のようだ。日本国内の外国車販売は小型車、高級車、スポーツカーともドイツ車が他の欧米メーカーを圧倒しているためだが、東京モーターショーで英国やイタリアの最新モデルを見ることができないのは寂しい限りだ。