遺伝の心配よりも毎日30分のウォーキングを
さて、今回の結果をどの程度心配したらよいか。高齢者の健康サイト「ゆうらいふ」の「認知症のすべてQ&A 認知症は遺伝するの?」の中で、滋賀県立成人病センター老年神経内科部長の松田実医師はこう回答している(要約抜粋)。
「親が認知症であれば高い確率で子供も認知症になる『遺伝性の認知症疾患』は存在しますが、ごくごく少数です。多くの認知症にははっきりとした遺伝性は認められません。確実なことは言えませんが、『両親が脳卒中で亡くなったら、子供も脳卒中になりやすい』くらいの遺伝性は認められるかもしれないという程度です。80歳以上の4人に1人が認知症になると言われています。ご両親ともに80歳を超える人が多い中、親や親戚に認知症がない人の方が珍しいのではないでしょうか。あまり遺伝を気にするのは考えものです」
また、認知症の専門サイト「認知症予防・今日からできること」の中の「親の認知症は子供に遺伝する?」の中ではこう書いてある(要約抜粋)。
「結論から言えば心配はいりません。アルツハイマー病の遺伝子解析も始まったばかりです。遺伝との関連性が調べられないから心配ないというのではありません。大きな理由は2つあります。その1つは、遺伝が疑われる若年性アルツハイマー病は全体の約1割、そして遺伝子変異であるとはっきり分かっているのはさらにその半分。つまり全体の5%程度と思われます。薄毛の遺伝確率より圧倒的に低い確率です。(薄毛の方すみません)」
「理由の2に、認知症の予防がとても有効であることがどんどんわかってきました。親が認知症になったからといって自分の将来を悲観するより、認知症予防を心がけながら前向きに生きた方が間違いなく認知症を予防します。具体的に言えば、食生活に気をつけ、毎日のウォーキングを30分続けるほうが、あれこれ悩むよりはるかに健康的に年を取ることができます」