日韓慰安婦合意は風前の灯 韓国外務省次官「非常に誤った合意」

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   慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決」することを確認するとしていた2015年12月末の日韓の合意が、もはや「風前の灯」だ。合意は朴槿恵(パク・クネ)政権下で結ばれたが、朴氏はいわゆる「スンシルゲート」事件で失脚。合意の「再交渉」を掲げた文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領に就任し、動向が注目されてきた。

   新たに就任した外務省の第2次官は、合意について「非常に誤った合意」だと非難した。現時点では韓国は日本側に「再交渉」を正式に要求しているわけではないが、ソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去を含め、合意の履行がさらに遠のいたのは確実だ。

  • 慰安婦像の撤去はさらに遠のくことになりそうだ
    慰安婦像の撤去はさらに遠のくことになりそうだ
  • 慰安婦像の撤去はさらに遠のくことになりそうだ

文在寅大統領就任で変化

   日韓合意をめぐっては、朴前大統領が国会に弾劾訴追され職務停止状態になってからも、朴氏の代行を務めていた黄教安(ファン・ギョアン)首相(当時)は、17年1月の閣議や3月の独立運動を記念する演説の場で、合意の「趣旨と精神を尊重」することが必要だとしていた。

   だが、韓国側の説明によると、安倍晋三首相と文大統領が5月11日に初めて行った電話会談で、文氏は

「国民の大多数が、感情的に慰安婦合意を受け入れていないのが現実」

と主張。5月18日に文大統領が日本に送った特使も同様の発言をした。韓国の通信社「ニューシース」によると、外務省の趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)報道官は6月1日の定例会見で、

「韓国政府は慰安婦の合意について、韓国国民の大多数が感情的に受け入れられない現実を認めながら、日韓両国が共同で努力して問題を賢く克服していくことを希望している」

と発言。韓国政府が公式見解として「感情的に受け入れられない現実を認めるべき」だと打ち出したことになり、従来の「趣旨と精神を尊重」という表現からは後退した。

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