国際バレーボール連盟(FIVB)の公式ツイッターアカウントに、両目を指でつり上げるポーズを取ったセルビア女子代表チームの集合写真が掲載され、インターネット上で「日本人を差別しているのではないか」といった批判が相次いでいる。
その写真は、2018年9月に日本で開催される女子バレー世界選手権への出場を決めたセルビア代表チームを撮影したものだ。そこに写っているのは、問題のポーズを取りながら「日本行き」を祝う代表メンバーの姿だ。
アジア人特有の細長い目を揶揄する行為
セルビア代表チームは17年5月28日(現地時間)、ポーランドで行われた世界選手権のヨーロッパ予選試合対ポーランド戦に勝利。これで、ヨーロッパ勢としては一番乗りとなる本大会出場を決めた。
問題となったのは、試合終了後のコートでセルビア代表が撮影した記念写真だ。そこには、控えを含む14人のメンバーが肩を寄せ合いながら、両手で目を斜め上につり上げて細目を作る姿が写っている。
この仕草は「スラントアイ(斜めの目)ポーズ」とも呼ばれ、海外ではアジア人特有の細長い目を揶揄するものとして、「差別的な行為」として知られる。最近では、17年2月に中国のサッカークラブに移籍したエセキエル・ラベッシ(アルゼンチン代表)が、クラブのプロフィール写真で「スラントアイポーズ」を取ったことで猛批判を浴び、謝罪する騒動も起きている。
このセルビア代表の写真を公開したのは、女子バレー世界選手権を運営するFIVBだった。同連盟が運営するツイッターアカウントが5月29日、セルビア代表の本大会出場を告知する文言とともに、問題の集合写真を投稿した。
さらに、複数の海外メディアの報道によれば、問題の写真はFIVB公式サイトの「ニュース」ページにも掲載されていたというが、こちらはほどなくして別の写真に差し替えられたという。また、「USA TODAY」が現地6月1日に配信した記事では、FIVBのコメントとして、
「我々は世界選手権の出場を祝うセルビア代表チームの写真が、文化的に無神経なものであったことを認識している」
との言葉を紹介している。
日本バレーボール協会は?
日本での本大会出場を決めた直後に撮影した写真で、アジア人を差別したと受け取られかねないポーズを取ったセルビア代表に対して、海外のネット上では批判的なコメントが相次いでいる。実際、ツイッターには、
「これは不愉快だな。 アスリートは人種差別的ではいけない」
「人種差別的なポーズについてチームは謝罪する必要がある」
「FIVBはなぜあんな写真を掲載したんだ...」(いずれも原文は英文、編集部訳)
などの声が殺到。そのほか、国内の一部ネットユーザーからも「悲しい」「普通に腹立つ」といった批判が出ている。
差別的なポーズを取ったセルビア代表及び、その写真を公開したFIVBに対し、日本バレーボール協会(JVA)は抗議などの対応を取る予定はあるのか。同協会の広報担当者は6月2日のJ-CASTニュースの取材に対し、今回の騒動は「海外の報道を通じて、把握しております」としたが、
「直接的にJVAが関与した事案ではないため、JVAとしてコメントする立場にはございません」
と答えている。