老舗レコード会社「Pヴァイン」 なぜコンビニを開店したか

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   Pヴァイン、と聞いてピンときたあなたは、結構な音楽ファンだろう。1975年の創業以来、前身のブルース・インターアクションズ時代も含め、「知る人ぞ知る」ようなミュージシャンの作品、また音楽関連の書籍・雑誌などを世に送り出してきた会社だ。

   そのPヴァインが、「コンビニ」を始めたという。個性派の老舗レコード会社が、なぜコンビニを? 実際に店舗を訪ねることにした。

  • 水谷聡男社長(右)と、前田裕司店長(左)
    水谷聡男社長(右)と、前田裕司店長(左)
  • 下北沢にオープンした「nu-STAND」。一見すると普通のコンビニ風。
    下北沢にオープンした「nu-STAND」。一見すると普通のコンビニ風。
  • 売りの「デリ」コーナー
    売りの「デリ」コーナー
  • サラダバー。カット野菜を仕入れるのではなく、店で毎日作っている
    サラダバー。カット野菜を仕入れるのではなく、店で毎日作っている
  • 新製品のパストラミ丼
    新製品のパストラミ丼
  • パストラミ丼に使うパストラミポーク。サンドイッチの具として提供していたところ、「ご飯と食べたい」との要望が出たことから新メニューにつながった
    パストラミ丼に使うパストラミポーク。サンドイッチの具として提供していたところ、「ご飯と食べたい」との要望が出たことから新メニューにつながった
  • 併設されたイートインスペース
    併設されたイートインスペース
  • イートインスペースには店内閲覧用として、自社の書籍も置いてある
    イートインスペースには店内閲覧用として、自社の書籍も置いてある
  • 水谷聡男社長(右)と、前田裕司店長(左)
  • 下北沢にオープンした「nu-STAND」。一見すると普通のコンビニ風。
  • 売りの「デリ」コーナー
  • サラダバー。カット野菜を仕入れるのではなく、店で毎日作っている
  • 新製品のパストラミ丼
  • パストラミ丼に使うパストラミポーク。サンドイッチの具として提供していたところ、「ご飯と食べたい」との要望が出たことから新メニューにつながった
  • 併設されたイートインスペース
  • イートインスペースには店内閲覧用として、自社の書籍も置いてある

店内BGMは所属ミュージシャンの楽曲

   「サブカルの街」として有名な下北沢。しかし、南口から出て少し歩くと、落ち着いた雰囲気の住宅街となる。

   2017年5月9日オープンしたコンビニ「nu-STAND(ニュースタンド)」があるのは、そんな一角だ。30日、取材に来た旨を伝えて店内に入ると、レジに立っていたヒゲの男性が笑顔で名刺を差し出した。

「Pヴァイン・レコード 代表取締役 社長 水谷聡男」

   なんと、社長本人だ。

「たまにやっているんですよ。やはり、自分で現場を経験して、把握しておきたいので」

   コンビニとしての品ぞろえは、ちょっと意外なほどに「普通」。菓子やインスタント食品、ドリンク、雑貨など、基本的な製品が並ぶ。店内BGMは所属ミュージシャンの楽曲だが、自社のCDや書籍も販売していない。

   一方で充実しているのが、「デリ」コーナーだ。店内調理の惣菜約20種類を主力に、コンビニとしては国内でほぼ類を見ない「サラダバー」、生ビール、サンドイッチなどを取り扱う。併設のイートインコーナーで、ゆっくり飲食することも可能だ。お客からのリクエストで開発したという、近く発売の新商品「パストラミ丼」を試食させてもらったが、分厚いピリ辛の肉でご飯が進む。

「大手と同じことはできないし、やってもしょうがない。音楽の分野でやってきたのと同じように、今あるコンビニとは違う『オルタナティブ』な価値観を提案したかった。そこで考えたのが、『店内調理』だったんです」

   コンビニは今や、私たちの食生活でも重要な位置を占める。その「食」の部分で、効率を重視するコンビニとは逆に、じっくり手間をかけることで付加価値を与える。そんな「オルタナティブコンビニ」がコンセプトだと、水谷社長は語る。

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