ネットで拡散「育児にお勧め」4枚の写真 実はどれも「やってはいけない」危険事例集

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   ツイッター上で「育メンになりたいお父様向け」として紹介され、数万リツイートされるほど話題になっていた「育児アイデア画像」が、実際には育児では危険とされる行為ばかりではないかと医療関係者や子育て経験者から指摘されている。

   2017年5月31日現在、最初に画像を「子育て向け」とツイートしたユーザーはアカウントを削除して確認できないが、掲載されていた画像を引用して「真似しちゃダメ絶対」と注意喚起ツイートを行っているユーザーもいるようだ。一体、どのような行為が危険だと言われているのだろうか。

  • アイデアのつもりが危険行為に(画像はイメージで記事内のツイートとは関係ありません)
    アイデアのつもりが危険行為に(画像はイメージで記事内のツイートとは関係ありません)
  • アイデアのつもりが危険行為に(画像はイメージで記事内のツイートとは関係ありません)

「育メンになりたいお父様向け」と勧めた人物は「逃走」

   発端となったのは「育メンになりたいお父様向け。4枚目はマジで感動した」というツイートに添付されていた4枚の画像。元ツイートは確認できないがまとめサイトなどに転載された内容を見る限り、この投稿者はどこかから見つけた画像を育児アイデア情報だと考えていたようだ。リツイートしていた人たちの反応も当初は「これは便利」と好意的で、危険な行為とは受け止められていなかったようだ。

   転載された画像を確認したところ、紹介されていたのはすべて海外の写真と見られ、写っている大人や乳児は白人だった。画像のみで特に説明はないが、一部の画像には「Parenthood at its best(ベストな親子関係)」と書かれており、育児を意識した画像ではあるようだ。

   画像はそれぞれ、以下の4シーンが写っている。


「乳児を椅子に座らせておくために大人用のタンクトップを椅子の背に被せ、タンクトップの中に乳児を入れておく」
「疲れているときに抱っこをせがまれた。ジャケットのボタンを留めてその中に乳児を入れて抱っこひものように固定する」
「哺乳瓶を手で持って乳児の口にふくませるのではなく、バナナを乳児のお腹の上に房ごと寝かせて載せ、バナナとバナナの間に哺乳瓶を挟んで固定する」
「子どもがアイスキャンディーを食べるとき、持ち手の部分にカフェなどで使用される紙カップ用のふたを取り付けると、子どもがうろうろしても溶けたアイスが垂れない。写真では実際に赤ちゃんがアイスの棒を持っている」

喉を深くついて死亡する事故も

   ツイッター上で特に危険だとの指摘が多かったものは4番目のアイスキャンディーの画像。アイデア自体の問題ではなく、小さな子に棒状のものを持たせて食べさせるのは危険ではないかとの声が多い。

   1999年には日本国内で、綿菓子を食べていた子どもが転倒して割り箸で喉を深く突き、脳に損傷を負って死亡した事故が発生した。消費者庁の「子どもを事故から守る!プロジェクト」ウェブサイトで公開されている「子どもの事故防止ハンドブック」でも、喉突き事故を防止するために箸やフォーク、歯ブラシを咥えさせたまま歩き回らせたり、目を離したりしてはいけないと記載してある。

   他の画像も「タンクトップやジャケットから滑り落ちる、窒息する可能性がある」「哺乳瓶を咥えさせたまま固定すると、咄嗟に哺乳瓶を離すことができず、むせた場合などに対応できない」といった指摘が見られた。東京都福祉保健局が公開している「乳幼児の事故防止教育ハンドブック」でも「乳児は窒息しやすいため授乳時にも目を離さない」「安全性が確認されていない器具を使用しない」などの事故防止法が記載されており、前述の指摘も的外れではない。

米国では「おもしろ画像」扱いだった

   これらのアイデアが海外では一般的か流行しているのか調べたところ、タンクトップで乳児を固定する画像は同じものが米国の電子掲示板「Reddit(レディット)」で、哺乳瓶をバナナで固定する画像も同じものが米国のまとめサイトで「おもしろ画像」として掲載されているのが確認できた。ただしこれらの行為が本当に育児アイデアとして取り入れられているのか、単なるネタ画像なのかはわからなかった。

   レディット上ではタンクトップ画像に肯定的な意見も見られたが、日本と同様に「タンクトップは乳児を椅子に固定するための道具ではなく窒息や落下の可能性があるので危険」とする書き込みもあり、海外では必ずしも受け入れられているわけではない。

   いずれの写真も撮影者がいる以上、大人が見ている状態だから危険はないという意見もツイッターでは見られたが、小児科医を名乗るユーザーは「多くの方は『事故は目を離した隙に起こる』という勘違いをされてる」とツイートし、

「不慮の事故は見てても注意してても起こるから事故の種を(子どもに)近づけないようにするしかない」

と書き込んでいた。

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