2020年東京五輪のサッカー男子日本代表監督の最有力候補として手倉森誠氏(48)の名前があがっていると、2017年5月31日付でスポーツ紙各紙が報じた。
手倉森氏は前回16年リオデジャネイロ五輪も率いているが、予選敗退の結果に賛否の声が交錯している。
長谷川健太、風間八宏の名前もあがる
報道によると、東京五輪の代表監督にはガンバ大阪の長谷川健太監督(51)やサンフレッチェ広島の森保一監督(48)、名古屋グランパスの風間八宏監督(55)らが候補にあがっているが、最有力は手倉森氏だという見方が強い。
五輪サッカーは23歳以下(U-23)代表が出場するため、3年後の東京五輪の主力は現在20歳以下の選手となる。現U-20代表は、決勝トーナメント1回戦でベネズエラに敗退したものの2017年のU-20ワールドカップ(W杯)に5大会ぶりの出場を果たした実績がある。だが、そのチームを率いてきた内山篤監督(57)の名前は今回ほとんど取り沙汰されていない。
手倉森氏は08年に当時J2のベガルタ仙台の監督に就任すると、翌09年にJ2で優勝した。12年にはJ1昇格3季目ながら優勝争いを繰り広げ、最終順位2位という好成績を収めた。「名将」の呼び声も高まり、手腕を買われて13年10月にリオ五輪をめざす世代の代表監督に就任した。
16年7月5日放送のNHK「クローズアップ現代+」に出演した手倉森氏はリオ世代について、所属のJクラブでレギュラーになれない選手も多く「勝てない世代」と言われてきたと明かしている。だが、レギュラーを固定せずに「日替わりヒーロー」を演出したり、エースナンバーの「10」を争わせたりなど、競争心をかきたてる独自のチーム作りで強化した。16年1月のU-23アジア選手権では優勝に導いた。
西野技術委員長「手倉森氏への評価は一様に高い」
だが、リオ五輪ではロンドン五輪の4位を上回るメダル獲得を目標にしながら、予選リーグで敗退した。その印象が強いせいか、今回の東京五輪監督最有力説が流れると、ツイッターやニュースのコメント欄では「オリンピックまた失敗するやん」「再登板させる意味が分からん」「人材不足ですね」などと厳しい声も見られる。
一方、日本サッカー協会(JFA)の西野朗・技術委員長はリオ五輪を総括した16年8月末、「手倉森氏への評価は(技術委員会で)一様に高い」と発言しており、その信頼は揺らいでいないようだった。技術委員会は新監督選任を担う。また今回、JFAの中では「五輪監督経験者」「Jクラブ監督経験者」を推す声が多いという。
五輪サッカー代表が23歳以下に限定されたのは92年バルセロナ五輪からで、その後日本が初めて出場したのは96年アトランタ五輪。それから直近のリオ五輪まで、2大会を率いた監督はいない。
東京五輪世代代表の活動は17年7月から事実上始まるが、内山監督が暫定的に就く予定。今夏から本格的な人選に入り、新監督は18年1月のU-23アジア選手権から指揮をとる見込み。