「ボルダリング」がうつ病改善に効果 米科学的心理学会で発表

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集中力が病気への抵抗力に転換

   20年の東京五輪で行われる「スポーツクライミング」は「リード」「スピード」「ボルダリング」の3種目。「リード」は到達高度を競い、「スピード」はタイムを競う。「ボルダリング」が競うのはクリアしたコースの数で、進むコースを選ぶことに集中力が求められる。

   アリゾナ大学のステルツァーさんは「ボルダリングは一瞬一瞬に気を配り集中する必要がある。競技をしているときには、自分の生活に起きていることに心を奪われる余地がなくなる。ホールドにつかまり落ちないようにしなければならないから」という。

   ステルツァーさんら、ボルダリングは高レベルの集中力が求められ、いわば考えすぎることが問題ともいえるうつ病の人たちにとって、よじ登ることに努めなければならない状況があるからではないかとみている。

   これまでにも「運動と精神的な健康の関係性」などの研究で、運動がうつ病の改善に効果があるとする研究結果が出されてきた、いずれも、脳の健康を高める化学物質の増加などがその理由とされていた。ボルダリングとうつ病の関係に着眼し、うつ病レベルでの変化を観察した研究は例がないという。

   独エアランゲン?ニュルンベルク大学のロッテンバーガーさんは「参加した患者の人たちはボルダリングの時間を楽しんおり、非常に役に立ったと話していた。うつ病の一つの問題は反すうして考えてしまうこと。ボルダリングはそれをやめさせるうえではよい手段」と述べた。

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