「ボルダリング」がうつ病改善に効果 米科学的心理学会で発表

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   2020年の東京五輪で追加競技となる「スポーツクライミング」の種目の一つ、ホールドと呼ばれる突起物に手足でつかまり壁をよじ登る「ボルダリング」が、うつ病の改善に効果があると示唆する研究結果がこのほど米国の学会で発表され注目を集めている。

   これまでにも有酸素運動などがうつ病に有効とする説も発表されてきたが、ボルダリングでは競技に必要とされる集中力が病気への抵抗を生むらしい。

  • 競技人口が増えているボルダリング。米国で「うつ病」の改善に効果があるとされる研究結果が発表された
    競技人口が増えているボルダリング。米国で「うつ病」の改善に効果があるとされる研究結果が発表された
  • 競技人口が増えているボルダリング。米国で「うつ病」の改善に効果があるとされる研究結果が発表された

「重度レベル」から「軽度レベル」

   研究結果を発表したのはアリゾナ大学ツーソン校で心理学の博士課程に在籍する研究者、エバマリア・ステルツァーさんと、独エアランゲン?ニュルンベルク大学の研究者、カタリーナ・ロッテンバーガーさん。ロッテンバーガーさんは数年前に同じ内容の研究結果を発表しており、ドイツにはボルダリングを治療に採り入れている病院もあるという。

   今回の発表の場は2017年5月25日~28日にボストンで開かれた米科学的心理学会の年次総会。米国では1500万人以上の成人がうつ病に悩まされているとも言われるだけに注目を集めた。

   研究はドイツでうつ患者100人以上を対象に行われた。これらの人たちを無作為に2グループに分け、一つのグループでは会場にくるとすぐにボルダリングをスタートさせ、もう一方のグループでは始めるまでにしばらく待機させた。両グループとも1週間に3時間ボルダリングを行い、これを8週間続けてもらった。ほとんどの人が同競技初体験だった。

   観察期間には複数回、抑うつの程度を客観的に測る「ベック調査票」やうつ病兆候のチェックリストを使って検査を重ねた。その結果、すぐにスタートのグループではベック調査表で6.27ポイントの向上を記録。一方、待機を求められたグループでは1.4ポイントの向上にとどまった。前者のグループの結果は、「重度レベル」から「軽度レベル」への改善を示すという。

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