殺虫剤「キンチョール」の新聞全面広告に掲載された「超難解折り紙」が、ツイッターなどで反響を呼んでいる。完成した姿が超リアルと評判だからだ。
全面広告をキリトリ線に沿って切ると「黒い正方形」になる。これだけでは、中に折り紙用の白い線が入っているだけだ。
「裏側まで生々しい」
ところが、「キンチョー」こと大日本除虫菊のホームページ上にアップされた折り方動画を見るなどして、白い線を折っていくと、そこには殺虫剤の駆除対象に挙げられたあの虫の姿が...。
2017年5月27日にいくつかの新聞朝刊に広告が載ると、ツイッター上で悲鳴が上がった。
「裏返った姿が思ったよりも生々しくてヒエッ」「折り紙を1時間かけてできたやつ。でかくて気持ち悪い」「まさかのゴキブリw」
折った後の完成品の画像も次々にアップされ、様々な反応が書き込まれている。
やって後悔したという声もあったが、この精巧な折り紙を考えた人は凄い、裏側まで再現度が高かったといった驚きの声が出た。キンチョーでは過去にも、飛んでいる蚊を数字の順につないでみてその結果を楽しむ趣向の新聞広告を打っており、「ここの広告は面白いものが多いな」といった感想も漏れていた。
1時間近くもある折り方動画では、最後に完成品の種明かしがされる。「では、これでゴキブリの完成です」。できた折り紙がサッと走って、シューとスプレーをかけるような音がすると、折り紙がひっくり返った姿で動画が終わっていた。今回のは、専門の折り紙作家が折り方を考えたそうだ。
なぜこの広告を考えたかについて、キンチョーの宣伝部では5月29日、J-CASTニュースの取材に次のように答えた。
「予想以上の人に挑戦していただけた」
「新聞を開いて、まず手を止めてもらえる広告であることを考えました。紙媒体ならではの広告という視点でアイデアをしぼり、ゴキブリの折り紙にたどり着きました。また、なんだろう?と不思議に思い、やってみよう!と参加したくなり、やってみた!と誰かに言いたくなるような、そんなコミュニケーションを目指しました。リアルで、難しく、でもがんばれば折れる、というレベルの折り紙になったかと思っています」
消費者からの反応については、こう言う。
「比較的時間に余裕のある土曜日に掲載したこともあり、予想以上の人が超難解折り紙に挑戦していただけたみたいだと、感じています。ツイッターにも『貴重な休日に1時間かけてゴキブリを折ってしまった(笑)』『やってくれましたね、金鳥さん(笑)』など好意的なものも多く、ヤフーニュースやラインニュース、多数のまとめサイトなどでたくさん取りあげていただいて、予想以上に反響が大きく喜んでいます」
いたずらに使われるなどの苦情があるかについては、5月29日夕時点では、会社に電話やメールなどで苦情は来ていないとしている。