怒りとイライラは心臓病と荒れ肌のもと 「上手な対処法」で若さをキープ(後編)

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日記が効果的だが、SNSはやめておこう

   さて、怒ってしまった時に最も大事な心構えとは何か。怒りを鎮めるスペシャリスト、筑波大学の湯川進太郎准教授(心理学)によると、怒りやすい人にはある傾向がみられる。それは「怒りの反すう」だ。怒りが何度もわき上がってくる状態だ。思い出してはまた腹が立つ経験の繰り返しがストレスの元となり、体や心に悪影響を及ぼす。それを防ぐには、怒りがわき上がる瞬間を知ることが大切だ。

   湯川准教授は、大学内でめい想(ヨガ)教室を開き、そのノウハウを教えている。たとえば、人間の体の中で、顔に次いで神経が張り巡らされているのが手のひらだ。だから、手のひらの感覚を研ぎ澄まし、そこに意識を集中してめい想すると、怒りなど自分の感情の変化にイチ早く気づくようになる。湯川教授は胡坐をかくと、まず手のひらを何度もこすり合わせた。そして、ヒリヒリさせた手のひらを空に開き、めい想を始めた。

   湯川教授は「こうすると、手のひらから感情がカーっとなってきた感じがわかるようになり、後で色々思い出した時にそれに引っ張られなくなります。意識を心や呼吸、体に向け続ける練習をするのです」

   湯川教授によると、もう一つ自分の怒りの状態を客観的に見て、反すうさせない手軽な方法がある。「筆記開示法」、いわゆる日記だ。怒ってしまった日、寝る前に日記を書く。文字にすることで客観的に見えるようになり、怒りとの距離を置くことができる。書き方にはちょっとしたコツがある。

   (1)出来事を細かく、丁寧に「事実」として書き、さらに「感情」も書く。

   (2)「誰が」「どうして」「どうなった」から、「こういう気持ちを抱いた」「こういうふうに感じた」などと具体的に書く。

   (3)SNSやブログではなく、誰にも見せないことを前提に正直に書く。

   大事なことは「事実」と「感情」の両方を書くこと。そして「誰にも見せない前提」で書くことだ。

湯川准教授「日記で自分の気持ちを書くと、モニターして整理整頓できます。事実と感情の両方を書くと、少し冷静になった後に相手の視点や相手の気持ちなど、いろいろなものが見えてくるのです」
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