全国から多くの参拝客が集まる「出雲大社」(島根県出雲市)の正式な読み方は、「いづもたいしゃ」ではなかった――。そんな指摘がツイッターに寄せられ、「全然知らなかった」などと反響を呼んでいる。
では、出雲大社の「正式な読み方」とは何なのか。J-CASTニュースが2017年5月30日、出雲大社の担当者に話を聞くと「正式には、『いづもおおやしろ』と読みます」と話した。
「ずっと『いづもたいしゃ』だと...」
出雲大社の「読み方」が話題になったのは、あるツイッターユーザーが5月11日、
「出雲大社の読み方は『いずもたいしゃ』じゃなくて『いづもおおやしろ』だぞ」
と指摘したのがきっかけだ。この投稿が複数のネットメディアで紹介されると、ツイッターやネット掲示板には、
「全然知らなかった」
「ずっと『いづもたいしゃ』だと思っていました...」
「長年人間やってきて今初めて知った事実に衝撃」
などと「初めて知った」との反響が相次いで上がった。
確かに、出雲大社の公式ウェブサイトのアドレスは「izumooyashiro.or.jp」。サイト上の「よくあるご質問」ページでも、「一般的には『いづもたいしゃ』と申しておりますが、正式には『いづもおおやしろ』です」と説明されている。
では、「いづもたいしゃ」と読むことは「間違い」なのだろうか。出雲大社の担当者は5月30日の取材に対し、
「正式な読み方ではありませんが、決して間違いではありません。実際、私たちも電話での応対などの場合では、呼びやすい『いづもたいしゃ』という読み方を使う場合もあります」
と話す。ただ、式典など正式な場では、必ず「いづもおおやしろ」と読んでいるという。
「分社」の場合は「いづもたいしゃ」
だが、茨城県笠間市にある「常陸国 出雲大社」の正式な読み方は、「ひたちのくに いづもたいしゃ」。この神社は1992年、島根県の出雲大社の「分社」として創建。その後、2014年9月に本社から「独立」し、単独の宗教法人となった。
なぜ、こちらの場合は正式名称も「いづもたいしゃ」なのだろうか。「常陸国 出雲大社」の高橋正重(ただしげ)権宮司は取材に対し、
「そもそも、『大社(おおやしろ)』という言葉は、島根県(出雲市)の出雲大社だけを指すものです。なので、私どもだけではなく、島根県の出雲大社から『分社』した神社はすべて、『おおやしろ』ではなく『たいしゃ』と読むのです」
と説明した。