介護者を助けるためにも兆候感じたら検査を
日本でもアルツハイマー病は認知症の主要原因疾患。次いで多いのが脳こうそくや脳出血などの脳血管障害による血管性認知症とされる。同疾患はかつては多かったが減少してきており、アルツハイマー病との合併症のケースが多くみられるという。
厚生労働省は2015年1月に「認知症施策推進総合戦略―認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて―」を発表。認知症の患者数が25年には700万人を超えるとの推計、65歳以上の5人に1人が患者という計算だ。12年時点では全国に約462万人と推計されている。
総務省の「就業構造基本調査」(2012年)によると、11年10月~12年9月の1年間に家族の介護や看護を理由とした転職、離職した人は約10万人。介護や看護の対象が認知症に限ったものではないが、その影響はわが国でも社会問題化している。
国際アルツハイマー病協会の15年8月の発表によると、世界の認知症患者数は約4680万人と推定されている。米国のアルツハイマー病協会によると2050年の米国の患者数の推計は1600万人。
米アルツハイマー病協会によれば、25年には新薬が登場するのではないかと期待しているがまだ先のことだ。CDCでは、兆候があることを感じたらすぐに検査を受けるようアドバイス。治療法がない現在は、早期からの態勢作りが患者本人と家族らを自ら助けることになるとしている。