最大の課題は「ポスト岡藤」
こうした改革で、ライバルが資源価格下落の影響で2015年3月期~16年3月期にかけて続々と巨額の減損損失を出し、最終赤字に転落するなか、損失を最小限に抑えることができた。16年3月期の純利益で初めて首位に立った際の決算発表会見で、岡藤社長は「ライバルが土俵から降りたから、不戦勝や」と総括した。
そのライバルたちは、資源価格の底入れとともに息を吹き返した。三菱だけでなく、資源事業の割合が大きい三井物産が伊藤忠の背中を追う。その中で、岡藤社長が語るとおり、伊藤忠は成長を続け、「商社2強時代」の一角を担い続けられるのだろうか。
最大の課題は「ポスト岡藤」という見方が、業界でも多い。岡藤社長は就任から8年目に入り、「いよいよ今期(2018年3月期)限りではないか」とささやかれている。独特のカリスマ性と「有言実行力」で成長軌道に乗せた岡藤氏。次の成長ステージに向け、後を継ぐ次期社長の経営手腕が大きな焦点になりそうだ。