「優勝したその日から全米、全世界に名前が知れ渡る」
「インディ500での優勝は、『アメリカンドリームの体現』のようなものです。優勝したその日から全米、全世界に名前が知れ渡ります。米国での注目度は、(米国4大スポーツに数えられる)NFLのスーパーボウル、NBAのファイナルにも匹敵するのではないでしょうか」。モータースポーツファン歴25年というある会社員男性はJ-CASTニュースの取材にそう話す。
一方で「日本ではその栄誉があまり知られていません」と男性はもどかしさを感じている。
なぜ日本での注目度が低いのか。男性は、スポーツに対する日本人の意識が影響していると考えている。日本では古くから肉体や技術、さらには心を高みにあげる「武道」の精神が現代までスポーツの根本にあると推測し、「エンジンを使って戦うモータースポーツは、日本では『スポーツ』とは切り離されて捉えられる節があるのではないでしょうか。確かに道具が大きな比重を占めるという点は否定できません」。
また、1776年の独立記念日から考えると「米国は国自体の歴史が240年ほど。その中で100年以上の歴史があるインディ500は、米国史で見てもかなりの部分を占め、歴史を形作っています。そうして積み上げてきたものが、こと米国では重んじられているのではないでしょうか」とも考える。
それでも、「佐藤琢磨選手が優勝したことで、日本でのインディ500、さらにはモータースポーツ界全体にとって、大きな転換点を迎えるかもしれません。本当に希望を与えてくれる優勝でした」と感慨深く話していた。