死なないから大丈夫、ではない
かつては三大死因に含まれていた脳梗塞を含む「脳血管疾患」だが、厚生労働省の「2016年人口動態統計」では「がん」「心疾患」「肺炎」に次ぐ4位となっている。外科的な手術法の進歩に加え、血栓を溶かす治療薬や血栓をできにくくする薬も登場しており、治せない病気というわけでもない。MSDマニュアルでは閉塞や血栓によって脳梗塞を発症した人の約3分の1は、すべてまたはほとんどの機能が回復するとしており、身体機能の温存も期待できる。
しかし同時に介護が必要となる「寝たきり」の大きな原因になっているとも指摘されており、「命が助かるなら大丈夫」と思えるような軽い病気でもないことは確かだ。国立循環器病研究センターは脳梗塞も含めた脳卒中の予防法として、5大危険因子「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」「不整脈」「喫煙」を改善する生活習慣を送るよう提唱している。